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IT統制の背景と対策を解説! アスキービジネスセミナー「企業リスクとIT統制」が開催される

2007年06月12日 14時51分更新

文● アスキービジネス編集部

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第2部では、トークセッション「よりうまくIT統制を実現するために何にどう取り組むべきか」が開催された。モデレータは、ITコンサルタントの三好康之氏。パネラーとしてはASPインダストリ・コンソーシアム・ジャパン 常務理事兼技術部会長の津田邦和氏、インテル株式会社 事業開発本部長の宗像義恵氏の2名に加え、第一部から引き続いて、安田 浩氏が登壇した。


内部統制はどこから手をつけるべきなのか


 トークセッションの冒頭で、関西でITコンサルティングを行なうモデレータの三好氏は、中小企業の現場をよく知る専門家として次のような問題提起を行なった。

「コンサルティングの現場でも内部統制やIT統制という言葉がチラホラでてくる。ただ、中小企業では『何をしなくてはいけないのか? どう取り組むべきか?』という根本的な疑問を聞かれることが多い。詳しく説明しても『お金もなければ、推進する人もいない』という話になる」(三好氏)

ITコンサルタントの三好康之氏
ITコンサルタントの三好康之氏

 中小企業においては、このような内部統制に対する認識だけでなく、コストや人材面でもまだ対応ができていない現状を指摘した。

 安田氏は「内部統制とは、いかに説明責任を果たすかということ。相手を納得させられるのなら、どんな方法で説明してもいい。問題は、どうやってその責任を果たせばいいのか? それはこれからの課題」と内部統制の基本的な考え方をまず解説した。

 また、宗像氏はすでにSOX法が実施されている米国の実情について、「海外では従業員や顧客に対して以上に、株主への責任が重視されている。インテルでも、経費の精算に厳しいルールが課せられているが、期末の報告に正しい情報を載せるためのもの」と、経営者が持つべき意識の違いを指摘した。

 さらに、津田氏は「説明責任を果たすには、“正しい経営情報”に基づく必要がある。正しいというのは、“改ざんされていない”という意味と、“経営の内容を即座に反映する”というリアルタイム的な意味がある。この2つを実現するにはITが必要」であるとした。さらに中小企業が抱える人材や予算の問題を解消するものとして、ASPを使ったアウトソーシング利用の可能性を提案した。

ASPインダストリ・コンソーシアム・ジャパン 常務理事兼技術部会長の津田邦和氏
ASPインダストリ・コンソーシアム・ジャパン 常務理事兼技術部会長の津田邦和氏

IT統制をいかに攻めのITにつなげるか


 日米のIT投資の姿勢の違いに関して、宗像氏はガートナーの調査結果を元に、「日本は守りの投資を中心に、海外では攻めの投資を行なっている。日本企業も単なる生産性向上だけでなく、競争優位性を高めるためのIT投資を行なうべき」と指摘。

インテル株式会社 事業開発本部長の宗像義恵氏
インテル株式会社 事業開発本部長の宗像義恵氏

 これに対し、三好氏は「日本のIT投資では、現場の意見が大きくなりすぎて、ソフトウェアのカスタマイズ費用の割合が大きく、攻めの投資にまでお金を回せていない。内部統制という法律の枠組みで決まった今は、不要なカスタマイズをせずに、攻めのITを導入するチャンス」と話す。

 また、国内の企業のIT化の状況に関して、安田氏は「たしかに多くの企業で仕事の電子化は進んでる。でも、それらをまとめて、みんなが利用できるようなデータベースにはなってない。ITをうまく活用する意識がないと、セキュリティも統制を語ってもしょうがない。業界全体で業務改革より前に、ITに対する意識改革が必要」と分析した。

 最後に宗像氏は「現在10億人がパソコンが使われているが、インテルとしてはさらに10億人に普及させていく計画がある。残りの10億人のマーケットにPCを投入することを考えると、5年先にはノートPCを2万~3万円くらいに、デスクトップPCはさらに安くなることも考えられる。
 そういった時代になれば、ハードをどう選ぶかは重要ではなくなる。いかに戦略的にサービスを選び、ビジネスモデルに組み込む投資を行なっていくかが大事」と、攻めのIT投資の重要性を指摘して、セッションをまとめた。

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