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【レビュー】気圧計も装備するタフネスデジタルカメラ

μ770SW

2007年05月24日 14時10分更新

文● 行正和義

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水中撮影ができるような耐水・耐環境デジタルカメラはダイビングでの水中写真だけでなく、日ころから多少ラフに扱っても大丈夫という安心感が魅力だ。オリンパスイメージング『μ(ミュー)770SW』は、同社の水中対応コンパクトデジタルカメラの最新モデルにあたる。従来のモデルの『μ720SW』(水深3m防水、関連記事)や『μ725SW』(水深5m防水)と同様に、撮像素子は710万画素で、屈曲光学系採用の光学3倍ズームのレンズ構成も変わらないが、防水性能はさらに進化して水深10mまで対応できるようになった。また、本体は高さ1.5mからの落下100kgfの荷重を耐えられるほか、-10度までの耐寒性も備えた。

μ770SW

オリンパスイメージングの『μ770SW』

基本デザインはμ720SW/μ725SWとほぼ同様で、本体の左上にレンズがある屈曲光学系スリムボディー機としては一般的な配置だ。特徴的なのは上下左右の面を覆う頑丈な金属フレームで、レンズやメイン基板などのカメラの内部メカニズムは、豊富な衝撃吸収材を介して収納することで耐衝撃性を高めている。また、μ720SW/μ725SWでは本体前面などに対してほぼ平面だったフレームが、本機では少し大きめで前面部からややせり出したような形状になり、落下時にもレンズなどを保護しやすくなった。

本体前面

外周を覆う金属フレームにパネルがマウントされている構造がよく分かる前面。電源はオフにしており、カバーがレンズを覆っている

本体背面

操作系はμシリーズなど、ほかの同社コンパクト機とほぼ同様だ。大きめのストラップ取り付け金具はホールドするときに親指がずれにくく、グリップの補助となっている。液晶表示は撮影時メニューのもので、画面の上に現在の気圧(ヘクトパスカル)と標高が表示されている。標高/気圧はアジャストでき、圧力センサー自体もOFFにできる

このフレーム部のせり出しは本体右側にも配置されており、フレームと前面パネルの間にある樹脂素材がうまく配置されていることもあって、撮影時にグリップしやすいデザインともなっている。レンズ部には電源を入れるとスライドする金属シャッターを装備しているため、そのままポケットなどに入れておいてもレンズ面への傷付きを気にしなくていいのは手軽だ。

背面の液晶ディスプレーは2.5インチでサイズは従来機と同様だが、表示画素数が11万画素から23万画素へと向上しているほか、輝度が約20%アップし、上下左右170度の広視野角な液晶パネルが採用されている。

本体上面

屈曲光学系採用のため電源を入れても本体の厚みは変わらない。本体上面は電源スイッチとシャッターボタンのみ、背面のスイッチ類はあまり厚みはないのが分かる

本体両側面

本体左側面(左)と右側面(中央)。右側面の上側はインターフェース部のフタとなっているが、ロック部をスライドするだけで簡単に開く。端子は1つのみだが、それぞれのケーブルを用意すればUSB、AV出力、DC入力(ACアダプターはオプション)が可能。マルチロック部の下にあるものが圧力センサー

メニューシステムは同社おなじみのもので、MENUキーを押せば十字型(DEMOモードや消音モードが追加されているため、実際には十字ではないが)に表示される“メインメニュー”と、カーソル中央のFuncボタンに呼び出せる“クイックメニュー”を用いることで各種設定をすばやく変更できる。また、撮影モードではカーソルの“上キー”が露出補正になっているため、逆光などのシーンへの対応がワンタッチで行える。ボタン類は防水のためのシーリングを介して内部スイッチを押しているはずだが、そんな機構にもかかわらずきちんとクリック感のある押し応えとなっているのは好感が持てる。

標高データの画面

再生モードで撮影した画像を見ると、各種撮影情報に加えて撮影時の標高データ(左下)が表示される

スーパーマクロLED

スーパーマクロLEDはまともに見るとかなりまぶしいほど。マクロLED撮影ではシャッターボタンを半押しにしていると点灯する。電源OFFでもMENUキーを長押しするとLEDが点灯して懐中電灯として利用できるが、その場合は何かのキーを押し続ける必要はなく、電源OFFなどで消灯する

耐水・耐衝撃・耐寒性能の強化のほかにも、ユニークな機能が追加されている。特に面白いのは“圧力センサー”で、気圧・水圧を画面上に表示するほか、撮影した画像にも付加情報として記録される。カメラ本体の耐水性能である水深10mに近づくと警告表示が出る機能も用意されている。ただし、水圧に比べて高さによる圧力変化が少ないことから、地上での標高は誤差が大きく、あくまで目安程度とのこと。

もうひとつの機能が“スーパーマクロLED”と呼ばれる、フラッシュ部に搭載されている高輝度白色LEDだ。暗いシーンでのAF補助光としても利用されるものだが、スーパーマクロLEDモードにするとLEDを発光させたまま非フラッシュ撮影を行なう。マクロのような近接距離ならばフラッシュなしでも白色LEDの点灯だけでも十分な光量で撮影でき、むしろフラッシュのように強い光源が近付きすぎて白飛びすることもない。また、被写体を照らし続けての撮影となるのでフレーミング(画角決め)もしやすい。LEDによる撮影補助ライトはビデオカムコーダーや携帯電話機の動画撮影機能などでも利用されているが、防水機能を持つ本機では特に水中写真での補助光としても使いやすそうだ。さらに、カメラの電源がオフになっていても“MENUキー”を長押しすることでLEDを点灯させることができ、非常時にはちょっとした懐中電灯として使えるのも面白い。

付属品一覧

バッテリー/xDメモリーカードは底面から装着し、電池室のフタもロックをスライドするだけで簡単に開くようになっている。電池はフル充電で約220枚撮影可能と、1日程度の山歩きなら十分だ

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