アイギーク(株)は22日、Mac OS X用のバックアップソフト『Indelible(インデリブル) II データバックアップ』のダウンロード販売を22日に開始すると発表した。価格は5250円。
パッケージ版の店頭販売は6月15日にスタートする予定で、価格は7560円。旧バージョンのユーザーは、無償で最新版にアップデートできる。
インデリブルは、シンプルなユーザーインターフェースが特徴のバックアップソフト。最新バージョンでは、2回目以降のバックアップ時間を大幅に削減する“今すぐスタート”技術や、保存先にCD/DVDを選択できるようになった。
今すぐスタート技術は、初回バックアップ後にインデリブルがファイル/ディレクトリーの変更をモニタリングし、2回目以降のバックアップの際にかかるディスクスキャン時間を削減するというもの。Mac OS X 10.4以上が備えているファイルシステムイベントという機能を利用するため、Mac OS X 10.3.9以前の環境では非対応となる。
同社の社長でヘッドギークのデイビッド・スミス氏は、製品説明会にて「バックアップでは、変更されたファイルをコピーするよりも、どのファイルが変更されたのかを調べるのに時間がかかる。例えば私のMacBook Proを普通にバックアップすると15分から20分くらいかかるが、これを5分くらい短縮できればよりバックアップが手軽になる」と語った。
バックアップ方法は、Mac OS Xをブート可能なままファイルをコピーできる“クローン”、過去のバージョンを保持して指定した状態にデータを復元する“バージョン付きバックアップ”など、5種類から選択可能。
スケジュール機能では、曜日を指定しての定期バックアップだけでなく、USBメモリーや外付けHDDが接続されたタイミングで自動でコピーを始めるといった操作にも対応している。そのほか、バックアップの際、AES-128に基づくデータの暗号化や、Gzipによるファイルの圧縮も利用可能だ。
対応OSは、Mac OS X 10.2.8以上。対応機種は、PowerPC G3/G4/G5かインテル製CPU、および256MB以上のメモリーを搭載したMacintosh。
「Time Machineはポジティブにとらえていい要素」
製品説明会では、アイギークが2006年に日本で600人に対して行ったバックアップの意識調査の結果が明らかにされた。スミス氏は、「42.5%のユーザーがコンピューターなしでは日常生活に大きな支障が出ると回答しており、69.7%のユーザーがデータ損失のトラブルを経験していた」と解説。
「調査結果では多くのユーザーが、デジタルデータのほうが、紙などの既存メディアよりも保存性や安全性に優れていると回答した」と、ユーザーがデジタルデータに対して過信する傾向にあることを指摘した。
その上で、デジタルデータの脆弱性を「すべてのディスクはいつかは壊れる運命。簡単に改ざんが可能だし、火事や台風といった災害にも弱い」とコメントし、バックアップの重要性を訴えた。
また、スミス氏は、ユーザーがバックアップをとらない理由について、「時間がかかる」、「保存先となる高価なハードウェアを購入したくない」、「バックアップ作業が難しい」という3点を挙げ、インデリブルの最新版では、今すぐスタート技術やCD/DVDへの書き込みの対応などでこうした不満を解消するように努力したと説明している。
今年の10月に発表が予定されている次期Mac OS X“Leopard”でバックアップ機能の“Time Machine”が採用されることについては、「Time Machineの登場によって、ユーザーのバックアップに対する関心が高まる。ポジティブにとらえていい要素」と語った上で、「インデリブルは、Time MachineにはないCD/DVDへの書き込みや、起動可能な状態でボリュームをバックアップする機能などを備えている」と自社ソフトの優位性をアピールした。