月刊アスキー 2007年6月号掲載記事
ITの新しい波はいつも若者から始まる。では、現在その若者の実力はどうなっている? それを問うイベントが、3月末大阪で行われた。学生向けITイベント「The Student Day 2007」である。主催はマイクロソフト、読売新聞社、コンピュータ総合学園HALから成る「The Student Day実行委員会」。
本イベントはマイクロソフトの世界的学生向けITイベント「Imagine Cup 2007」と連動している。The Student DayはImagine Cupソフトウェア デザイン部門の日本大会といった位置づけだ。Imagine Cup自体は、ショートフィルム部門など9つの部門が設置されている一大イベントで、欧米はもちろん、BRICs各国を含めた世界中から商用ソフトと遜色ないレベルの作品を持って学生が勝ち上がってくる。Student Dayで優勝したチームは、日本代表として世界大会に進出し、各国代表と戦う。
今年のテーマは「テクノロジの活用による、より良い教育の実現にむけて」というもの。優勝したTeam Somedayの、デジタルノートシステム「LinQ」は、生徒のノートをシステム上に蓄積し、「わからない」こと自体を共有しようというコンセプトだ。板書をノートに写している際、分からない箇所には△、重要と思ったところには☆など、コマンド的な印を記入し、その箇所を囲むと、手書き入力を関知しているデバイスが該当箇所の記述をシステムにアップロードし、あとから参照可能になるといったものだ。先生は多くの生徒が躓いた部分が分かるし、生徒は他の生徒が「重要だ」と思ったポイントに気づく事もできる。板書のノートという、授業中の自然な行動からシームレスにシステムにつないで行く点が素晴らしい。しかし一方で、審査員からは「板書の写しというのは世界中で共通なのか?」といった指摘も。こうした課題の検討は、世界大会まで続けられる。
その世界大会、昨年はインドで開催され、日本はベスト6まで登り詰めた。今年はどうか? 8月5日~11日に韓国で開催されるIma gine Cup 2007で、結果が出る。