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「ライブドア事件、偽メール問題が需要の引き金」 サイバーソリューションズ、メールアーカイブのASP

2007年03月13日 16時17分更新

文● アスキービジネス編集部

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サイバーソリューションズは、3月13日、東京都内で会見し、メールアーカイブサービス「MailBase F-Class」を発表した。同社の検索技術を生かした使い勝手のよさが特徴で、大企業向けに回線込みのASPサービスとして提供される。サービス開始は4月1日から。


検索技術の強みを生かしたメールアーカイブソリューション


サイバーソリューションズ 代表取締役社長 秋田健太郎氏

サイバーソリューションズ 代表取締役社長 秋田健太郎氏

「昨年の前半からメールアーカイブの引き合いが増えている。背景には、個人情報保護法や新会社法、日本版SOX法などの法規制があるが、引き金はライブドア事件、偽メール問題。“何かあったら調べられるにしたい”というニーズは強い」

 サイバーソリューションズの代表取締役社長である秋田健太郎氏はこのように語る。同社では、2000年の創業当初から企業向け検索エンジン「CyberFinder」を開発、2001年からはWebメール付きのメールサーバ「CyberMail」を手がけていることから、「(検索とメールサーバを手がけている)“お宅ならできるだろう”と以前から顧客の要望が強かった」という。

「MailBase F-Class」の概要図。インフラ、運用監視サービスを含めて提供することで管理者の負担を抑える

「MailBase F-Class」の概要図。インフラ、運用監視サービスを含めて提供することで管理者の負担を抑える

 そこで今回、サイバーソリューションズが発表したのが「MailBase F-Class」だ。Mail Base F-Classは、専用のエージェントソフトを既存のメールサーバにセットすると、添付ファイルを含むすべての電子メールをデータセンター内の専用サーバへ自動的に保管するサービス。サービスには大容量ストレージ(1TBから選択可能)、専用サーバ、占有ハーフラックとデータセンターまでの回線などが含まれ、自社で構築するよりも比較的低コストで容易に導入できるのがメリットだという。

「MailBase F-Class」の検索画面。複数の検索条件を設定し、アーカイブ済みのメール全文を高速で検索可能

「MailBase F-Class」の検索画面。複数の検索条件を設定し、アーカイブ済みのメール全文を高速で検索可能

 最大の特徴は、同社の検索技術とWebメールの技術を利用し、管理機能の使い勝手に力を入れたことだ。Mail Base F-Classでは、メールのアーカイブと同時に検索用のインデックスファイルを生成。これを利用してWebブラウザ上から添付ファイルを含むアーカイブ済みのメール全文の検索が可能となっている。秋田氏は「多くの検索エンジンでは検索結果に反映されるまでにタイムラグが発生する。添付ファイルを含めてリアルタイムに検索できるのは恐らく業界唯一」と胸を張る。また、添付ファイルは、Microsoft OfficeやPDFのほか、一太郎やAutoCAD、PageMaker、ZIPなどの幅広いファイル形式をカバーし、Office文書にコメントとして埋め込まれたテキストまで対応可能だ。

 サービス提供にあたってサイバーソリューションズは、世界的な投資会社であるフィディリティグループのKVHと提携。専用サーバをKVHが運営する都内のデータセンターに設置し、サーバ/インフラの運用監視をKVHが、プログラムの動作監視をサイバーソリューションズが24時間体制で行なう体制を整えた。また、顧客企業とKVHを結ぶ接続回線にはKVHの広域イーサネットサービス「Ether-MAN Plus」を採用したことで信頼性を高めたとしている。さらにオプションとして、日本ネットワーク・アプライアンス(NetApp)の改ざん防止ソフト「SnapLock」を加えることもできる。

 対応するメールサーバは、SendMail、Lotus Notes/Domino(ジャーナル6.5.4以上)、Postfix、Exchange Server、StarOffice21、CyberMail。料金の目安は、従業員数1000人規模の企業のケースで初期費用120万、月額130万円程度となる。

 秋田氏によるとメールアーカイブは「必要性は認識されていても、実際の導入はまだまだ少ない。大企業であっても導入企業は10%程度ではないか」という分野。同社では従業員数3000人以上の金融/製薬/製造業を中心に売り込み、今年12月までに30社、来年12月までには100社の導入を目指すとしている。

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