米ヴイエムウェア(VMware)社は1日、インテルMac用仮想マシンソフト『VMware Fusion』(開発コードネーム)のβ2を公開した。今回は進化した3Dグラフィック機能を試すべく、Windowsゲームの体験版をいくつか動作させてみた。
3Dアクセラレーションのサポートが目玉
ニュース記事でも紹介しているように、β2ではテスト扱いながら“DirectX8.1”に対応した3Dグラフィックのアクセラレーション機能が利用可能になった。現状でサポートするOSはWindows XP SP2のみとなっている。
本機能はハードウェアのビデオ回路を直接利用するのではなく、ソフトウェアエミュレーションによって実現されている。つまりインテルMacに実際に搭載されているビデオカードの種類に関わらず、アプリケーション側からはVMware独自形式のビデオカードとして認識される。
『FF』や『ゆめりあ』のベンチは動かず
では早速、実際のゲームが動くかどうかを試してみよう。テスト機は17インチiMac-1.83GHz (Early 2006)を使用。搭載メモリーは1.5GBで、仮想マシンのWindows XP Professional SP2には768MBのメモリーを割り当てている。
なお、β2はデバッグモードで動作しているため、本来の速度が出ていない。また、米ヴイエムウェアはライセンスでベンチマークテスト結果の公表を禁じているので、具体的な数値は掲載していない。
まずメーカー公式のリリースノートで動作すると発表されている『3DMark2001 Second Edition』(http://www.futuremark.com/)と『Aliens vs. Predator Demo』(http://www.lith.com/)を試してみたところ、両者とも特に問題なく動作した。
続いて『FINAL FANTASY XI Vana'diel Bench3』http://www.playonline.com/ff11/...)の動作を試みたところ、VMware Fusionが“unrecoverable error”(回復できないエラー)で終了してしまった。
このほか『ゆめりあベンチマーク』(http://www.yumeria.com/...)など、ゲームの体験版やベンチマークプログラムをいくつか試してみたが、あまり芳しい結果は得られなかった。
DirectXをサポートした初めてのリリースであることを考えると致し方ないことだろう。今後のリリースでの改善に期待したい。
『ひぐらし』や『バーチャ2』はOK
とはいえ、現状のVMwareでPCゲームがまったくプレイできないわけではない。『ひぐらしのなく頃に』(http://07th-expansion.net/...)、『アカイイト』(http://www.success-corp.co.jp/...)といったアクション以外のゲームはほぼ問題なく動作するし、『バーチャファイター2』(1997年発売、http://www.sega.co.jp/...)や『タイピング・スペースハリアー』(2002年発売、http://www.sega.co.jp/)など数年前のアクションゲームもプレイできた。
今後のホストマシンの性能向上と仮想マシンソフトの機能向上により動作可能なゲームソフトも増えることだろう。
DirectX対応以外の新機能も見逃せない
DirectXサポートの影に隠れた感もあるが、β2ではある時点の仮想マシンの状態を保存しいつでもその状態に戻せる“スナップショット”機能、Windows Vistaへの対応、GUI設定ツールの整備といった改良も行なわれている。
64bit版のゲストOSの実行や、仮想マルチプロセッサーへの対応など、一部では競合の『Parallels Desktop』を凌ぐ機能も備えているVMWare。正式版のリリース時期や価格はまだ明らかにされていないが、今後が大いに楽しみである。