日本HPは、ITコンソリデーションに関する企画や立案を支援する6つのサービスメニュー「ITコンソリデーションコンサルティングサービス」を発表した。さまざまな理由でITコンソリデーションの実施に至っていない企業に対して、コンサルタントによる支援を行なっていく。
企業のコンソリデーション導入を後押しするサービス群の発表
「『IT予算の構造改革』を行なうために、コンソリデーションが求められる」
日本ヒューレット・パッカード株式会社 マーケティング統括本部 インフラソリューションマーケティング本部 担当部長の久保耕平氏は、コンソリデーションが求められる背景をこのように説明する。多くの企業では、セクションごとにシステムの導入を進めた結果、ムダなリソースを抱えることになったり、運用管理のコストも高くなっているという。その結果、IT予算の多くがインフラやアプリケーションの維持といった「守りのコスト」に使われているのが現状だ。このように「サイロ化」している社内システムはコンソリデーションにより「守りのコスト」を削減していくことが可能で、浮いた分をアプリケーションの革新のような「攻めのコスト」に振り分けていくことが重要になっていく。
しかしコンソリデーションを導入したことのない企業は、「コンソリデーションの利点について、社内合意がとれない」、「統合が必要なことは分かるが、サーバの台数や種類といった現状が把握できていない」、「投資対効果がどれくらいあるか分からない」などの悩みを抱えているという。久保氏は、今回発表された「ITコンソリデーションコンサルティングサービス」により、これらの悩みが解決され、コンソリデーション導入へのさまざまな障害が解消されていくという。
コンソリデーションの導入に際しては、「戦略と企画」、「設計」、「実装」、「管理」といったステップを経ることになるが、このうち最も重要なのが最初の「戦略と企画」のステップだ。ITコンソリデーションコンサルティングサービスは、いずれも「戦略と企画」のステップに含まれるものだ。
ITコンソリデーションコンサルティングサービス
続いて、日本ヒューレット・パッカード株式会社 コンサルティング・インテグレーション統括本部 技術本部 ITコンサルティング第一本部 エンタープライズソリューション部 ITコンソリデーショングループ コンサルタントの西嶋岳大氏が、6つのサービスの詳細を説明した。
ITコンソリデーション ビジョニングワークショップサービス
コンソリデーションの利点について、社内の合意が得られていない企業のCIOやITマネージャーを対象に、コンソリデーションの目的やゴールを明確にする。参考価格は42万円(税込、以下同)から、期間の目安は2日間。
ITインフラ環境棚卸サービス
サーバ(x86、UNIX)、ストレージなど自社が抱えるIT資産の現状把握ができていない企業を対象に、IT資産の棚卸しを行ない、分析をするもの。他社製品の混在環境にも対応可。参考価格は252万円から、期間は4週間から。
ITインフラ環境分析サービス
コンソリデーションを検討しているが、その進め方や導入による効果をあらかじめ把握したい企業を対象に、現状の可視化や統合後の完成予想図を提供し、財務的な効果を表わすもの。参考価格は189万円から、期間は2週間から。
ITインフラ運用評価サービス
運用に着目し、現状のIT運用について、ITIL(IT Infrastructure Library)の視点で評価を行ない、改善項目を把握するもの。参考価格は21万円、期間は3時間。
ITコンソリデーションサイジングサービス
古いサーバを大量に保有していて、サーバ統合を検討しているが、技術や機器の選定などで悩んでいる企業を対象に、現状のサーバ利用率を実測し、統合後の適切な構成に関するアドバイスを行なうもの。「VMware Capacisy Planner」、「HP CAT(Consolidation Analysis Tool)」、「Quick Server Analysis」の3種類のツールを用いて行なわれる。参考価格は336万円から、期間は4週間から。サービス開始当初はx86サーバを対象に行なわれ、UNIXサーバには2007年中への対応を予定している。
ITコンソリデーション基本構想策定支援サービス
コンソリデーションの検討に際し、具体的な方針を決め、社内の意思統一を行いたい企業を対象に、中長期的なITインフラ施策の指針となる「基本構想」の策定支援を行なうもの。参考価格は630万円から、期間は2ヶ月から。