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ぶるーとぅーす

Bluetooth

2007年02月16日 22時18分更新

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2007年02月16日 22時18分更新

ぶるーとぅーす

Bluetooth

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■Bluetoothとは?

 Ericsson社、IBM社、Intel社、Nokia社、(株)東芝の5社が提唱した近距離無線通信規格。国際規格では“IEEE802.15.1”として採択されている。2.45GHz帯の電波を使用し、半径10m程度の通信距離で1Mbpsの通信速度でデータの送受信が行なえる。ユーザーは免許を取得することなく使用できるため、赤外線通信規格“IrDA”に代わる機器同士の通信手段としてPC周辺機器や携帯電話、デジタル家電などに搭載されている。

  • 無線通信規格


 

詳細解説

Bluetoothの特徴

 Bluetoothは、スウェーデンのEricsson社が、社内プロジェクトとして1994年に開発が開始した近距離無線通信規格で、1998年に米IBM社、米Intel社、フィンランドのNokia社、(株)東芝の5社により標準化団体“Bluetooth SIG”が設立され、“Bluetooth”の名称が発表された。1999年7月にバージョン1.0の仕様書が発表され、2004年11月にはバージョン2.0および高速化機能“EDR(Enhanced Data Rate)”がリリースされている。また2007年3月にはBluetooth 2.1 + EDRが発表され、ペアリング作業工程の削減やさらなる省電力化を実現できるという。

 当初は主に赤外線データ通信“IrDA”の代替えという認識で普及が進み、Bluetoothを搭載するパソコンも多かった。しかし、現在では、低コスト、低消費電力、コンパクト化が可能というメリットを生かし、パソコンではなくキーボードやマウスといった周辺機器のほか、携帯電話機やデジタルカメラ、デジタル家電製品、カーナビゲーションシステムに搭載されるケースが増えている。

 たとえば、携帯電話機では電話番号やメールアドレスなどのプロフィールを携帯電話機同士で交換する際にBluetoothを使用したり、携帯電話機とパソコンをBluetoothで接続し、携帯電話機をモデムとして使用する、といった用途がある。また、BluetoothはWindows XPやMac OS Xで標準サポートされており、別途ドライバを用意することなくBluetooth搭載機器を使用できる。

 なお、Bluetooth機器には“プロファイル”と呼ばれる、機器ごとの専用プロトコルが設定できるようになっている。プロファイルには、ヘッドセット向けの“HSP(Headset Profile)”、無線LAN向けの“LAP(LAN Access Profile)”などがある。機器同士が同じプロファイルを搭載していないと、たとえ同じバージョンのBluetoothに対応していても特定の機能が利用できない。代表的なプロファイルは以下の通り。

 なお、Bluetooth機器には“プロファイル”と呼ばれる、機器ごとの専用プロトコルが設定できるようになっている。プロファイルには、ヘッドセット向けの“HSP(Headset Profile)”、無線LAN向けの“LAP(LAN Access Profile)”などがある。機器同士が同じプロファイルを搭載していないと、たとえ同じバージョンのBluetoothに対応していても特定の機能が利用できない。代表的なプロファイルは以下の通り。

●プロファイルの種類

プロファイル名用途
A2DP (Advanced Audio Distribution Profile) 音楽をヘッドフォンなどに伝送するためのプロファイル
AVRCP (Audio/Visual Remote Control Profile)AV機器をリモコン操作するためのプロファイル
BIP (Basic Imaging Profile) 画像を転送するためのプロファイル
DUN(Dial-up Networking Profile)携帯電話をモデムとして、インターネットにダイヤルアップ接続するためのプロファイル
FAX(FAX Profile)パソコンからFAXを送信するためのプロファイル
FTP(File Transfer Profile) パソコン同士でデータ転送を行うためのプロファイル(TCP/IPにおけるFTPとは異なる)
GAP(Generic Access Profile)機器の接続/認証/暗号化を行なうためのプロファイル
HCRP(Hardcopy Cable Replacement Profile) プリンタへ無線で出力するためのプロファイル
HFP (Hands-Free Profile) ハンズフリー通話を行なうためのプロファイル
HID(Human Interface Device Profile)マウスやキーボードなどの入力装置に伝送するためのプロファイル
HSP(Headset Profile)Bluetooth搭載ヘッドセットと通信するためのプロファイル
LAP(LAN Access Profile)Bluetoothを利用して無線LANを構築するためのプロファイル
OPP(Object Push Profile)名刺データなどの交換を行なうためのプロファイル
PAN (Personal Area Network Profile)小規模ネットワークを構築するためのプロファイル
PBAP (Phone Book Access Profile)電話帳のデータを伝送するためのプロファイル
SDAP(Service Discovery Application Profile)他のBluetooth機器が提供する機能を調べるためのプロファイル
SPP(Serial Port Profile)Bluetooth機器を仮想シリアルポートとして利用するためのプロファイル
SYNC(Synchronization Profile)携帯電話やPDAと、パソコン間でスケジュール帳や電話帳のデータを伝送し、自動的に同期するためのプロファイル

 “EDR”は、バージョン1.1および1.2との互換性を保ちつつ、低電力化と高速化を実現する規格のこと。通信の仕組みは従来のバージョンと同様だが、通信を行なう際のデータそのものの内容とペイロード部分の変調方式が改良されている。具体的には“GFSK”“π/4DQPSK”“8DPSK”という変調方式を切り替えて使用することで通信速度を高速化させている。8DPSKでは従来の3倍での通信が可能だ。

 日本では特に、2004年11月より施行された改正道路交通法により運転中の携帯電話使用が規制されたため、Bluetoothによるハンズフリー機器が脚光を浴びた。Bluetoothによる機器の接続には“パスキー”と呼ばれる4~16桁の数字を双方で入力する。なお、入力機能のないマウスやヘッドセットなどはパスキーが固定されており、設定が不要になっている。

Bluetoothの規格

 通信規格としては、2.45GHz帯の電波を使用し、半径10m程度の通信距離で1Mbps(EDR使用時は最大3Mbps)の通信速度でデータの送受信が行なえる。IEEE802.15.1として国際規格で標準化されており、使用に関してユーザーが免許を取得する必要はない。

 Bluetoothには電波強度により3種類の“クラス”が規定されており、クラス1では100mWの電波強度で100mまでの通信が可能となっている。ただし、一般に普及しているのは電波強度1mW、到達距離1mの“クラス3”、電波強度2.5mW、到達距離10mの“クラス2”となっている。

Bluetooth
Bluetoothは、低コスト、低消費電力、コンパクト化といったメリットから、さまざまな機器で利用されている。任天堂の家庭用ゲーム機“Wii”のコントローラーである“Wiiリモコン”もBluetoothを使用している。

 今後はQoSマルチキャスト化などが予定されているが、同時にBluetoothを使用して感染を広げる携帯電話向けウイルスも発見されるなどの問題も発生している。また現在、“WiFi”や“ZigBee”も近距離無線通信規格として名乗りを上げている状態だ。

 

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