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ぼっと

ボット(bot)

2007年01月30日 00時00分更新

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2007年01月30日 00時00分更新

ぼっと

ボット(bot)

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■ボットとは?

 本来は「所定の動作を自動的に実行するプログラム」の意味だったが、最近ではコンピュータに感染し、インターネット経由でリモートコントロールするために作成されたコンピュータウイルスの一種を指す。ボットに感染したコンピュータは外部からの指示を待ち、指示があるとその動作を実行する。特に複数のボット感染コンピュータに一斉に指示を送り、悪意ある動作をおこなうを「ボットネットワーク」と呼ぶ。

  • コンピュータウイルス


関連キーワード

  • ボットネットワーク
  • ウイルス対策ソフト
  • スパムメール
  • DoS攻撃
  • 不正アクセス
  • スキャン
  • バックドア
  • 圧縮ファイル
  • リモートコントロール

目次

 

詳細解説

 ボットの語源は“ロボット”であり、“所定の動作を自動的に実行するプログラム”を指す言葉だった。しかし、2005年頃から“ボット”と名付けられるコンピュータウイルスが急増している。従来のコンピュータウイルスは、メールの添付ファイルなどの手段を利用してパソコンに届き、ファイルを開くことで感染し、パソコンの動作を遅くしたり、コンピュータ内にあるメールの宛先に同様のウイルスメールを送付するというものがほとんどだった。

 従来のコンピュータウイルスが、使用者の気づきやすい動作をしていたのに対し、ボットは使用者に気づかれないよう、自らを隠そうとするのが特徴だ。感染経路はほぼ従来と同じだが、メールの添付ファイルのほか、インスタントメッセンジャーを介して感染するもの、ウェブサイトからダウンロードすると自動的にインストールされるもの、圧縮ファイルを開くことで感染するものなどが存在する。

ボットはメールやインスタントメッセンジャーなど、さまざまな経路からパソコンに感染する
ボットはメールやインスタントメッセンジャーなど、さまざまな経路からパソコンに感染する

 感染すると、ボットは必要なソフトのふりをしてコンピュータに常駐し、さまざまな動作を行なう。たとえば、ウイルス対策ソフトを停止させたり、更新作業を中止させるなどだ。しかし、特に危険なのはコンピュータにバックドアと呼ばれるポートを開くことにある。ポートとはコンピュータが通信を行なうために使用する窓口のようなもので、プログラムによって使用するポートが決まっている。

 ボットは使用されていないポートを開き、ボットの作成者などの指示を待つ。ボットでは『IRC』というチャットソフトを利用して指示を待つものが多く、このようなものは特に“IRCボット”と呼ばれる。指示があるとその動作を行ない、さまざまな悪意ある行動を起こす。その行動は、スパムメールの大量送信や特定のウェブサイトへのDoS攻撃、不正アクセス、ネットワーク感染、スキャンなど様々。つまり、コンピュータの使用者が気づかないうちに、自分のコンピュータを悪用されてしまうのだ。

ボットが作り出す強力なネットワーク

 ボットは特に、何百、何千というコンピュータに感染し、“ボットネットワーク”と呼ばれるネットワークを形成することも特徴の1つ。これら大量の感染コンピュータを攻撃などに使用することで、攻撃を強大にしているのだ。ボットネットワークの多くは、ネットワークに接続されたまま使用されていない世界中の“休眠パソコン”と言われている。また、ボットの作成者はボットネットワークを使用して依頼された攻撃などを行ない、対価を得ていると言われる。

ボットネットワークを作ることで、ボットはより強力な攻撃を仕掛けられる
ボットネットワークを作ることで、ボットはより強力な攻撃を仕掛けられる

 ボットに感染しないようにするには、Windowsなど使用しているOSやアプリケーションを常に最新の状態にしておくこと、ウイルス対策ソフトを導入すること、不審なメールの添付ファイルを開かないこと、怪しいウェブサイトにはアクセスしないことなどが挙げられる。そして、万一感染してしまった場合には、コンピュータを速やかにネットワークから切り離し、ボットの駆除を行なおう。ウイルス対策ソフトで駆除できたり、そのメーカーのウェブサイトに駆除方法が掲載されているので、その手順にそって駆除できる。


 

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