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小島寛明の「規制とテクノロジー」 第405回

ラピダス、2nm量産まであと1年 政府2.6兆円投資も、民間投資は1676億円にとどまる

2026年09月15日 07時00分更新

文● 小島寛明

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 先端半導体の国産化と量産を目指すラピダスが、量産開始の目安とした2027年度後半まで1年となった。

 2026年9月11日の共同通信の報道によれば、ラピダスの小池淳義社長が現地時間の9月10日、ワシントンのシンクタンク・ハドソン研究所で講演し、2040年ごろに月面に半導体工場を建設する構想を語った。報道によれば、小池氏は講演で「冗談ではなく、真剣な計画だ」 と述べたという。

 2025年11月21日に経産省が公表した計画の概要書によれば、ラピダスが北海道千歳市の工場で回路線幅2ナノメートル世代の半導体を量産する目標は、2027年度後半に設定されている。経済産業省の幹部が2025年6月の講演で、2027年10月がめどになると述べている。

 ラピダスによる先端半導体の量産計画は、日本政府と日本を代表する大企業が顔をそろえ、巨額の資金を投じる巨大プロジェクトであるだけに、注目度は極めて高い。

現時点では国策会社の実質

 ラピダスは2022年、トヨタ自動車、NTT、キオクシア、ソニーグループなど8社が出資し、設立された。2026年2月27日の赤澤亮正・経済産業相の会見記録によれば、会見の時点では、出資企業は32社になり、民間企業による出資総額は1676億円となっている。

 一方で、経済産業省が8月20日に発表した2027年度予算の概算要求には、ラピダスへの追加出資1500億円が盛り込まれている。同省所管の独立行政法人、情報処理推進機構(IPA)を通じた政府出資は、2026年2月の1000億円、6月の1500億円に続く3回目で、実現すれば政府の出資は累計4000億円になる。

 政府によるラピダスへの支援は、これにとどまらず、次世代半導体の開発支援のための委託費などを含めると、政府の支援は6月5日の時点で、2.6兆円にのぼっている。

 2026年2月の時点では、政府が保有する議決権は11.5%にとどまっているが、政府は特殊な株式を保有している。ラピダスの経営が悪化した場合は、政府が3分の2以上の議決権を握る態勢を目指しており、政府が介入できる枠組みを想定している。

 政府は、量産開始までに総額3兆円程度の支援を予定している。これに対して、2ナノ半導体の量産開始に必要な投資は総額4兆円程度だ。このうち1兆円は民間企業からの出資を想定しているが、2026年2月の時点では、1676億円にとどまっている。2025年12月の日本経済新聞の報道によれば、三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクは、量産に入る27年度以降、政府保証を付けたうえで最大2兆円規模を融資する意向を示しており、経産省は融資額の最大8割を保証する方針だ。

 資金の面に注目すると、政府が全面的に支援し、巨額の公的資金を投じる一方で、民間からの投資については、目標とする1兆円の資金調達はめどがたっていないというのが実情だろう。赤澤経産相は6月5日の記者会見で、「ラピダスの取り組みが世界でも類を見ないスピードで進捗していることを確認した。本プロジェクトは、政府が進める成長投資の要となるものです。国益のために必ず成功させなければならない国家的プロジェクトとして、引き続き、成功に向けて全力で取り組んでまいります」と述べている。

米国との役割分担

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