ディスプレイなし版のRokidのAIグラスも衝動買い
国内クラウドファンディングで6億円超を集めた「Rokid スマートAIグラス」を、筆者がユーザーイベントで衝動買いしたのは4月のこと。5月初旬に届いて以来、半年近い付き合いになる。かつて未来の道具だったスマートグラスも、いまや自分の暮らしに合う一台を選ぶ段階に入ったようだ。
Rokidには、レンズ内ディスプレイを備えるモデルと、表示機構のない「Rokid Ai Glasses Style」(以下、Style)がある。価格差は4万円強。今回、両方を遠近両用化したので、あえて「ない方」を中心に紹介したい。AIの答えを目で読むか、耳で聞くか。老眼世代には、その前に自分の目との折り合いも大切なのである。
両方ともカメラを備え、AIへの質問や撮影を楽しめる兄弟製品だ。表示や翻訳などに違いはあるが、目の前のものをAIと共有する楽しさは共通する。箱から専用ケースまで血縁を感じさせる一方、フレームの押し出し感はStyleも十分立派だ。筆者の購入仕様では、出荷時は黒いサングラス系レンズだった。
ディスプレイの表示機構がない分、スッキリしたデザイン
上から見ると設計の違いがわかりやすい。ディスプレイ搭載機は鼻当て付近に左右の投影機構を収め、その周辺に厚みがある。Styleは表示機構を省いた分、構造がすっきりしている。未来的な機能を引き算することで、普段のメガネに近づくという発想が面白い。
ディスプレイ搭載機のレンズは、映像の光を内部で導いて目に届ける「ウェーブガイド(光導波路)」を使う。厚みや表面、微細な光学構造が表示を支えるため、普通のメガネのように削って度を付けるわけにはいかない。このモデルでは、目に近い側へ磁石で装着するインサートレンズで視力を補正する。
年齢的にスマホとの共存には遠近両用レンズが欠かせない
筆者は購入直後、近視用のインサートをあつらえた。ただ、AIの回答は読めるのだが、手元のスマホが見づらい。結局、スマホを操作するためにスマートグラスを外すという、何とも惜しい事態になった。そこで遠近両用化である。しかし、度数やレンズ設計によっては厚みが増し、前側の導波路と干渉する可能性がある。装着空間を含めた事前相談が肝心だ。
相談先は神保町の「れんず屋」だ。まず表示機のインサートを遠近両用に交換してもらった。約2週間で完成したレンズは極めて快調。視界のAIと手元のスマホを、メガネを外さず行き来できる。この当たり前がうれしく、続けてStyleもお願いした。
Styleには導波路がないため、フレームのレンズ自体を交換する。こちらも単に度数を合わせれば終わりではなく、細かな計測と調整を経てレンズを選んでもらった。高性能なAIを鼻に載せても、自分の目に合わなければ出番は減る。毎日かける道具としての仕上げが、使い続ける気持ちを左右するのだ。
作成データは左右ともS‐1.50、C‐1.50。乱視軸は右75度、左105度、瞳孔間距離65mm、加入度数+2.25である。あくまで筆者個人の一例だが、近視と乱視に加え、手元を見るための補正も必要な世代には参考になるだろう。
交換費用はStyle用1組で加工・取り付け込み2万3000円だった。本体と合わせて8万7990円。趣味の出費として軽くはないが、遠くも手元も見ながらAIと付き合えるなら、普段使いのメガネとして納得感は増す。外した黒いレンズと完成品を並べると、ガジェットが自分の生活道具になった実感が湧く。
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