これからのネットワーク運用管理が目指すべき方向性、HCNET・濱野氏に聞く
「運用負荷を下げなければ、セキュリティは高まらない」 企業が直面するネットワーク運用の難題にどう向き合うか
2026年10月30日 11時00分更新
提供: エイチ・シー・ネットワークス株式会社(HCNET)
企業/組織において、日々の業務活動の根幹を支えるようになったネットワーク。そのセキュリティは維持しなければならないが、無線LAN(Wi-Fi)接続の浸透、業務デバイスの多様化といった変化に伴って、運用負荷の高まりという問題も生じている。
「現場の運用負荷を下げないかぎり、セキュリティ強度を高めることはできない」――。そう語るのは、ネットワークインテグレーターであり、メーカーでもあるエイチ・シー・ネットワークス(HCNET)の濱野登志邦氏だ。
アプライアンス1台に認証/証明書発行/DHCP/アカウント管理を統合し、運用の自動化/省力化を実現する「Account@Adapter+ V7」は、ネットワーク管理者の救世主となるのか。TECH ASCII編集長の大谷イビサが、濱野氏にネットワーク運用の現場課題と解決策をうかがった。
接続方式/デバイス/働き方の「多様化」が、IT担当者を限界に追い込む
――(アスキー大谷)社内ネットワークの運用管理業務が、IT担当者の重い負担になってきています。HCNETではネットワークインテグレーションを長年手がけられていますが、運用負担が増えた背景をどう見ていますか?
HCNET 濱野氏:その理由をひと言でまとめると「多様化が進んだこと」だと考えています。変化が少ないと思われがちな組織内のネットワークも、さまざまな側面で多様化が進んでいます。
たとえば、かつてはLANケーブルによる有線接続が中心でしたが、現在はあらゆるデバイスが無線接続(Wi-Fi)になっています。接続するデバイスも、PCだけでなくスマートフォンやタブレット、プリンター、さらに監視カメラやセンサーなどのIoT機器と、多様化が進みました。そして、それらのデバイスのアクセス先も、自社データセンターだけでなくさまざまなクラウドサービスへ拡大しています。
――たしかに、一昔前と比べると「接続方法」「デバイス」「アクセス先」のすべてが多様化していますね。
HCNET 濱野氏:その結果、ネットワーク環境は複雑になりました。その一方で、ネットワークがダウンすると業務も止まってしまうような時代ですから、IT管理者はネットワークをきちんと設計/構築/運用し、その安定稼働を支えなければなりません。
多様化についてはもうひとつ、「働き方」の多様化も起きています。フリーアドレスを採用する企業が増え、テレワークも浸透しました。さらに、正社員だけでなく、派遣社員やアルバイトといった一時雇用の方も、社内ネットワークを使って働きます。
ですからIT管理者は、オフィス内のどこでも快適に無線接続ができる環境や、テレワーク用のVPN環境を整える一方で、そこに接続できるユーザーを常に管理し、セキュリティを維持しなければなりません。働き方の多様化もまた、ネットワークの運用負荷を高めています。
――その一方で、ネットワーク接続のセキュリティも「多様化」しましたよね。
HCNET 濱野氏:そうですね。無線LAN接続を例に挙げると、昔はSSIDとパスワードによる認証、あるいはデバイスのMACアドレスによる認証などで済ませていました。しかし、パスワードは一度漏れたら終わりですし、MACアドレスは偽装(なりすまし)ができてしまいます。現在のサイバー脅威の状況を考えると、十分なセキュリティ強度があるとは言えません。
そこで現在は、証明書を使ったセキュリティ強度が非常に高い認証が使われるようになりました。クライアントにインポートされた証明書を確認して、正規のユーザー/デバイスであることを確認する方式です。
ただし、証明書認証を導入することで、証明書の発行やライフサイクルを管理するためのシステムが増え、運用管理が一段と複雑になりがちです。セキュリティ強度は高めたいが、運用負荷が増えるので手が着けられない――。そうした理由で、証明書認証の導入に踏み切れない組織がまだ多いのが現状だと思います。
RADIUS/証明書発行/DHCPを「オールインワン」で――構築/運用の手間を最小化
――証明書認証はもっと普及すべきだと思っていましたが、運用管理というハードルがあるわけですね。そうした課題を解消するために、HCNETではどのようなアプローチをとっているのですか。
HCNET 濱野氏:まずは「現場の運用負荷を下げなければ、セキュリティ強度を高めることはできない」というのが基本的な考えです。そこで、ネットワークの運用管理をもっと楽にする製品を提供し、お客さまのネットワークセキュリティ強化に貢献しています。その製品が「Account@Adapter+ V7」です。
――こちらにあるアプライアンスですね。具体的にどんな機能を提供するのでしょうか。
HCNET 濱野氏:簡単に言えば、認証処理を行うRADIUSサーバー、アカウント管理機能(LDAPサーバー)、DHCPサーバー、そしてクライアント証明書を発行/管理するCA(認証局)を、1台に統合したアプライアンスです。
社内ネットワークを構築する際、これを1台導入するだけで、セキュリティ強度の高い証明書ベースの認証基盤(IEEE802.1X)も、DHCP環境 ※注 も簡単に準備できます。
※注:DHCP機能の利用にはオプションライセンスが必要。
――このアプライアンスをポンと設置するだけで、ネットワーク構築の際に必要な機能をオールインワンで提供してくれる――、そんなイメージですね。
HCNET 濱野氏:そうです。実際に、無線ネットワークを構築する際にご導入いただくケースが最も多いです。
RADIUS、DHCP、CAと、これまで個別にサーバーを立てていたものが1台で済みますし、事前構成済みのアプライアンスなのですぐに利用をスタートできます。ネットワークの設計/構築/運用/メンテナンスといった、IT担当者の業務負荷軽減につながります。
また、無線ネットワークへ接続する際の802.1X認証だけでなく、VPN接続時の証明書認証にもご利用いただいています。最近のランサムウェア攻撃では、盗み出したID/パスワードでVPNから侵入する手口が多いのですが、証明書認証を採用すればそれも防げる可能性が高まります。
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