最大96GBまでVRAMに割り当て可能
Surface Laptop Ultraの基本性能を検証、RTX Sparkの3D描画性能はRTX 5060と5050の間ぐらい
2026年10月15日 21時00分更新
2026年10月16日、NVIDIA製SoC「RTX Spark N1X」(以降、RTX Sparkと略)搭載ノートPCの販売がグローバル市場で解禁となる。そして、そのレビュー用機材としてMicrosoftの「Surface Laptop Ultra」(128GBメモリー版)をお借りすることができた。AIエージェントをローカル環境で存分に動かせ、なおかつWindows用の定番アプリやゲームも動かせるというコンセプトの製品である。
Surface Laptop Ultra発表会の模様はこちら
2026年10月7日10時(北米時間)に、Microsoftが米サンフランシスコにあるDogpatch Studioにおいて開催したイベント「Surface October 2026」のレポート。
Surface Laptop Ultraの外観をチェック
今回筆者がお借りしたSurface Laptop Ultraの最上位モデル(20コアCPU、128GBメモリー)。その開封の儀レポートでは、特異な形状のUSB Type-Cなどを解説。
Githubでは2025年あたりからAIエージェントに関するリポジトリの注目度が急上昇。AIモデルの知能も有料のクラウドモデル(ChatGPTなど)に肉薄するなど、2026年はローカルAIエージェントの年である、とNVIDIAは主張している
横軸に電力(CPU+GPU)、縦軸に用途別(ゲームやAI)のVRAM要求量をとり、NVIDIA製GPUごとの着地点をプロットしたもの。RTX PRO 6000はAIエージェントが動かせる(当然、Strataのようなオフロードの仕組みは使わない)が1000Wは消費する。対して、RTX Sparkなら同じ規模のAIエージェントを断然低い電力で運用できる。プロットの正確さはともかくすごい自信である
このレビューに先立ち、筆者は米サンフランシスコで開催された「RTX Spark Editor's Day」に参加。帰国したらSurface Laptop Ultraの検証開始という例を見ない強行軍である(NVIDIAの体質は実に体育会系だ)。正味3日程度で環境セットアップから検証までせよということだが、適当に検証してもこの製品の旨味をしっかりお伝えすることはできない。
そこで、本稿ではRTX Sparkのハードウェア的な解説と、定番ベンチマークを利用した極めてベーシックな性能だけをチェックするにとどめたい。AIやクリエイティブな処理における評価やゲームパフォーマンス評価については、後日改めてお届けする。
1チップでGeForce向けの機能が全部動くSoC
これまでノートPC向けのGeForceやRTX PROは存在したが、どれもディスクリートGPUであるため、薄型軽量ノートPCとして成立させにくい部分があった。さらに、AIで重要なビデオメモリー(VRAM)はRTX PRO 5000でも24GBが上限だ。
これに対し、ライバルの「Ryzen AI Max+」や「M5 Ultra」はユニファイドメモリーを採用し、システム全体では128GB、VRAMとしては96GBも割り当てられる。GeForce(CUDA)はAI領域でも重用されているが、そのCUDAをWindowsノートPCの形態で動かすためのGPUはVRAMにハンデがあるというのが実情だ。RTX Sparkはそこを打破するSoCである。
RTX Sparkには2種類のモデルがあり、CPUコアとGPUコアの数が異なる。ユニファイドメモリーに関しては公式ページに明記されていないが、ページのソースを見ると18コアCPU版は最大64GB、20コアCPU版は最大128GBと差異がある。ただし、実際の製品におけるメモリー容量はメーカーの販売戦略にもよるので、Surface Laptop Ultraのように18コア版では32GBまでしか選択できないケースもある。
RTX SparkはCPUとGPUが別のチップレットに格納されており、これが1つのパッケージ上で合体している。CPUコア部分は2つのクラスターに分かれており、20コアCPU版の場合、Cortex-A725ベースのEコアが5基、Cortex-X925ベースのPコアが5基の合計10基で1つのクラスターを構成している。
一方で、18コアCPU版はEコアが9基でPコアが9基だが、そうなると片方のクラスターはEコアが多く、もう片方はPコアが多いという計算になる。どちらのクラスターにEコアとPコアが何基ずつあるのかは資料に記載がないため不明だ。このように、RTX Sparkに関するNVIDIAの資料には謎が多く、実機での確認が望まれる。
RTX Sparkの構造:NVIDIAのより。RTX Sparkは2つのチップレット(この図ではダイと表記)で構成され、ダイ間はNVLink C2Cで接続される。図中左側のSダイ(S-die)にはCPUコアのクラスターが2つ含まれており、それぞれ最大10基のコアが格納される
また、E/Pコアという呼称はNVIDIAが使っているもので、Armがそう呼んでいるわけではない。RTX SparkにおいてはA725ベースのコアはX925に比して省電力重視だからEコア、対してX925ベースのコアは性能重視だからPコアと呼ばれている。
ちなみに、WindowsのAPIからは、コア番号はEコアが先、Pコアが後に列挙される。ゆえに、コア番号が若いほうがPコアであると決めつける「お行儀の悪いプログラム」はうまく性能を発揮できないかもしれない。
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