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鹿児島県の鳳凰高等学校の特別授業にサイコムが協力

高校生がローカルAIを使った動画生成にチャレンジする特別授業、AIを使わざるを得ない世代がAIとの付き合い方を考えるきっかけに

2026年10月07日 10時00分更新

文● 宮里圭介 撮影●AKR/Akira Sato 編集●ジサトライッペイ/ASCII

提供: 株式会社サイコム

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ローカルAI

 最近、なにかと話題になりやすい「AI」。仕事や趣味で積極的にAIを活用している人はもちろんだが、欲しい情報や解決策をすばやく見つけてくれるため、インターネット検索の代わりに利用する人も多い。もはや、なくてはならないツールといっても過言ではないだろう。

 文章だけでなく、画像や動画といったクリエイティブな分野でもAIの活用は増えてきており、技術も日進月歩の発展を続けている。学習データの扱いや生成物の質が問題になることも多いが、クリエイターを強力に補助してくれるツールとしての利用価値は高い。問題の焦点も「使用の可否」を問うものではなく、「どう使うか」という活用方法に移ってきている印象だ。

 本稿では、その「どう使うのか」を学ぶ場として、AIを使った動画生成の特別授業を計画した学校を紹介する。鹿児島県の南さつま市にある希望が丘学園 鳳凰高等学校(以下、鳳凰高等学校)だ。この特別授業を現地まで取材に行ってきたので、その様子をお伝えしよう。

ローカルAI

鹿児島県南さつま市加世田にある鳳凰高等学校では、AIを使った動画生成の特別授業を行っている

ローカル環境でAIを動かすPCはサイコムが協力

 AIの形態は、クラウドAIとローカルAIの大きく2つに分けられる。クラウドAIは、遠隔地にあるサーバー上でAIを動かすもので、特別なハードウェアは必要なく、契約するだけですぐに利用できる点がメリットだ。現在広く使われている方法で、単純に体験するのが目的であれば、このクラウドAIのほうが向いているだろう。

 しかし、通信環境によってはデータの送受信が遅いという問題がある。また、使うたびに利用料がかかるため、とくに処理するデータ量の多い動画では、試行錯誤の回数が予算によって制限されてしまうということもある。また、他社のサービスにデータを送信する都合上、データが漏洩してしまう危険もあるし、サービスによっては学習用のデータとして活用されてしまう可能性も否定できない。

 これに対してローカルAIは、外部のサービスに頼らず自前のシステムで完結できる。そのため、データ安全性の面で優れている点が特徴だ。とくに、1台のPC内で完結するエッジAIであれば、漏洩の危険も学習データとして使われてしまう心配もまずない。また、電気代は多少かかるものの、データ利用料と比べればはるかに安く済む点も魅力だろう。

 ただし、高性能なCPUやGPUがなければ推論に時間がかかりすぎて、実用的ではなくなってしまう。そのため、快適な速度で使いたいとなると、ハードウェアにかかる金額がかなり高額になってしまうこともある。このあたりはどんな用途のローカルAIを運用するかで予算はだいぶ変わるところである。

 今回の特別授業では、生徒自身の写真を扱うためデータを守りたいこと、そして、うまくいくまで何度でも試行錯誤させたいという思惑があり、ローカルAIで授業を行う方針となった。ここでネックとなるのが、参加者の人数分だけ高性能PCを用意するのが難しいこと。そこで手を挙げたのが、サイコムだ。

 サイコムは、CPUに「Core Ultra 5 225F」、GPUに「GeForce RTX 5060 Ti」を搭載したPC「G-Master Velox III Intel Edition」を予備も合わせて10台用意。前日の設営から授業のサポートまでを担当した。

ローカルAI

サイコムが用意したPC、G-Master Velox III Intel Edition。標準構成の直販価格は29万2090円と、ローカルAIを運用するPCとしてはかなりお手頃な部類だ

「生徒がやりたいことを自由にできる」環境が学校のよさ

 授業の様子をレポートする前に、鳳凰高等学校について軽く触れておきたい。鳳凰高等学校は、文部科学省のデジタル人材育成支援事業における「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」の採択校で、XRやAIといったデジタル技術を活用した教育に取り組んでいる。

 このICT(情報通信技術)を活用した「デジタル探究」の授業を、普通科未来探究コース で担当しているのが中村太悟先生。デジタル技術を活用し、活躍できる人材の育成を目指している。具体的には、3Dモデリングやプログラミング、AI、VR/XRといったものを生徒に体験してもらい、これらを使ったコンテンツ制作まで行なうという。

ローカルAI

デジタル探究を担当する中村太悟先生

 中村先生が大切にしているもの。それは生徒たちがやりたいと思った時に活動できる環境を整えることだという。見学させてもらった学校施設の「d-Lab(デジタルラボ)」には、高性能PC、ノートPC、3Dプリンター、レーザーカッター、VR/MRヘッドセット(Meta Quest 3)などが並んでいた。

ローカルAI

d-LabにはPCのほか、Meta Quest 3や3Dプリンター、レーザーカッターまであった

「生徒がやりたいことを自由にできる、という環境があるのが学校のよさです。家にそういった環境がある子ならいいですが、そういう子ばかりとは限りません。それだけに、学校に行けばPCやこういった機器が使える、という環境があることが大切だと思っています」(中村先生)

 AI利用という面では、学校ではすでにGoogleのAIアシスタント「Gemini」を使っており、チャットベースでの対話は多くの生徒が経験しているとのこと。しかし、画像生成はまだしも動画生成まで行っている生徒となると、個人的な活動を含めまずいないだろうとのことだった。中村先生自身も未体験だそうで、ひそかに授業を楽しみにしていたという。

「AIは、必ずと言っていいほど使われるものになっています。そういったAIを使わざるを得ない世代が、今の子たちです。使い方を間違えると色々な問題が起こるだけに、AIをどう活用するのか、AIとどう付き合っていくのかを考え、学んでほしいですね。そういう意味で、実際にクリエイティブな業界で働いている方がどうやってAIを使っているのかを知り、体験できる場が作れてよかったです」(中村先生)

 今回の特別授業のテーマは「感謝」。「ありがとう」をAIでつくる。というもので、面と向かってはなかなか言いづらい親への感謝を伝える内容となっている。生徒たちが事前に用意した素材は、映像のシーン内容、何枚かの写真、そして事前に録音しておいたナレーションくらいだ。これらの素材からAIで動画を作ることにチャレンジした。

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