鹿児島県の鳳凰高等学校の特別授業にサイコムが協力
高校生がローカルAIを使った動画生成にチャレンジする特別授業、AIを使わざるを得ない世代がAIとの付き合い方を考えるきっかけに
2026年10月07日 10時00分更新
考えていた通りのシーンを生成するのはひと苦労
「知らない家族がいる」といったトラブルも
座学が終わり、用意してあるデータを使った簡単な動作を体験した後は、いよいよ生徒たちが動画を生成する時間だ。
作成する動画のシーンは4つ。最終的にはこれを動画編集ソフトでつなぎ、ナレーションを加え、30秒ほどの動画として完成させるのが今回の課題だ。素材は単一ではなく、生徒たちが持ってきたものとなるうえ、プロンプトも生徒自身が考えたものを入力する。そのため、思ったような結果が出ないというトラブルも多かった。
同じ設定のままでも、出力し直すたびに結果が変わるため、ある種の「ガチャ」要素はある。とはいえ、顔が似ていない、登場人物の人数が変わる、などといった根本的な部分はガチャではなく、使用する画像やプロンプトの見直しで解決できる部分だ。
こういったトラブルは個別対応が必要となる。そのため、小泉氏が教室内を巡回し、困っていそうな生徒に声をかけたり、逆に呼び止められて質問されたりといった具合だった。
実際、生徒たちが遭遇したトラブル例と、その対処方法をいくつか紹介しておこう。
●知らない家族が増えている
AIが勝手に人数を増やしてしまうことがある。対処方法は人数を明確に指定すること。
●着物を着てしまう
「日本人」のイメージに引っ張られてしまう場合は、場所や服の指定を工夫する。
●顔が似てくれない
写真の解像度やサイズによっては、顔が似ないことも。そんなときはトリミングして顔をアップに。
●手をつながされる
「仲良く」と入力すると、手をつながされることが多い。対処方法は「並んで歩く」などと指示する。
●身長が違う
「背が高い」といった抽象的な表現をしない。明確な身長を入力する。
驚いたのは、このプロンプトの作成で、ChatGPTなどのAIに相談しながら工夫している生徒がいたことだ。「AIを日常ツールとして活用している」ということが、よくわかる光景だった。
そして、いつの間にやら先生方も空いている席で動画生成をはじめていた。素材として使う人物写真は、写真例として撮影された校長先生と教頭先生。プロンプトをいじっては、その結果を見て大笑いしながらいろいろと試していた。
全員が無事完成!いざ発表会へ
動画が完成した後は、保護者を交えての発表会。こだわったシーンや、実際に試して難しかったこと、おもしろかったこと、伝えたいひと言といったことを発表してから、動画の再生がはじまった。
AIによる動画生成がはじめて、しかもたった数時間という制限があったにもかかわらず、どの生徒の動画も完成度が高い。もちろん、構想していたシーンをうまく生成できなかった部分もあったようだが、それはそれとして見ごたえのある動画に仕上がっていた。
なかでもおもしろい動画を作っていた生徒が土橋拓晃さん。過去の自分を登場させ、手で作ったハートマークを光らせる、というシーンを作成していた(上記の画像を参照)。このエフェクトについて、苦労した点などを詳しくうかがった。
「頭の中で想像していたシーンを言葉にするのが難しかったです。ハートをキラーンと輝かせるつもりが、バーン!といった爆発になってしまったりで。うまくいくまで、多分30回くらい試したと思います」(土橋さん)
母親によると、小さいころからパソコンなどを触るのが好きな子だったとのこと。また、現在家で使っているPCは、自分で組み立てた自作PC。普通に使うのはもちろんだが、PCパーツを換装するなどして楽しんでいるそうだ。
PC自作好きの生徒はもう1人いて、休憩時間にサイコム
の佐藤氏とPCについて語り合っている姿が印象的だった。
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