単体でスマホの充電に使うことができた
そしてP2160TC最大の変態的、いや魅力的な機能が反対方向への給電だ。USB Type-Cケーブルを接続すれば、21700セルそのものがモバイルバッテリーになる。単3、単4型のUSB充電池は10年ほど前から存在したが、6000mAh級21700でここまでやる製品に筆者は初めてお目にかかった。
筆者のGalaxy Z Fold 7でも実際に試した。25%から充電を開始し、約2時間で100%まで充電できた。グラフでは22時15分ごろから翌0時16分ごろまでほぼ一定のペースで残量が上昇し、100%に近づくにつれて充電制御によってカーブが緩やかになっている。端末側の温度も充電開始直後に35度前後まで上昇した後は徐々に低下しており、少なくとも今回のテストでは大きな発熱の乱れも見られなかった。
最後に5000mAh級のモバイルバッテリーを重量比較してみた。交換式ケース+セルは119gと103g、Ankerは100g、SHARGEは98gだった。
対して6000mAhのP2160TCは、実際に使うUSBケーブル込みでも84g。容量が1000mAh多いにもかかわらず、今回比較した中では最軽量となった。ケースもディスプレイも外装も省き、セルそのものに必要な機能を載せてしまった構造ならではの結果だ。
21700は本来、機器やバッテリーパックに組み込まれる「セル」だった。それが交換式となり、保護回路が付き、ついにはUSB Type-Cまで生えて自分自身を充電し、スマホにも給電するようになった。P2160TCは6000mAhという容量と84gという軽さを両立した、実用的でありながら妙に楽しいガジェットである。
もちろん長さ76.8mmなので、21700対応と書かれたすべての機器に入るわけではない。もはや21700という数字を額面通り信じてはいけない時代なのだ。しかし「規格からはみ出した約7mm」に保護回路とUSB Type-Cと遊び心まで詰め込んだと考えれば悪くない。21700は10年かけて成長した。文字通り、少しだけ縦にも成長してしまったようである。

今回の衝動買い
・Keeppower P2160TC TYPE-C USB 6000mAh
・購入:AliExpress
・価格:2662円
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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