ASUSのROG Strix Pulsar XG27AQNGVで検証
ホールドぼけ対策とVRRの共存!FPSゲームのすばやい動きもブレずにパキッと見える「G-SYNC Pulsar」を完全解説
2026年09月10日 10時00分更新
固定リフレッシュレートの長所と短所
ディスプレーが1秒間に何回更新されるかは「リフレッシュレート」で決まる。リフレッシュレートが60Hzなら1秒間に60回画面が更新されるので、フレームレートの上限は60fpsとなる。多くの人がリフレッシュレートは固定値で運用していることだろう。古典的かつ定番のスタイルだ。
これに関連するPCゲームの重要な設定の1つが「V-Sync(垂直同期)」だ。ゲーム側でV-Syncをオンにすると、GPUがフレームをレンダリングするペースは、ディスプレーのリフレッシュレートに連動することになる。この手がかりとして使われるのがV-Syncだ(厳密にはVBRANK信号なのだが、両者は近い存在なので本稿ではわかりやすさを重視する)。
V-Syncオンの状態でGPUがレンダリングした映像が画面に出る処理の流れ。GPUが描画した映像はバックバッファー→フロントバッファー→ディスプレーの順に流れる。このタイミングに深く関わるのがV-Syncだ
V-Syncオン設定はレイテンシー(操作入力から画面表示までの時間を示すE-Eシステムレイテンシー)が増えるという弱点がある。GPUが1フレームを一瞬で描画しても、次のV-Syncが来るまで画面はバッファー内で止まってしまうからだ。
つまり、レンダリング終了から表示まで最大1フレームぶん待たされることになる。例えば、リフレッシュレートが60Hz(60fps)ならば、V-Syncをオンにしているだけで最長16.667msのレイテンシーが乗る計算になる。これはかなり大きい。
しかし、144Hzなら7ms、240Hzなら4ms、360Hzなら2.778msまでV-Syncによる強制待ち時間は減る。といったように、リフレッシュレートが高くなるほどV-Syncオンのペナルティーは軽減されるという点も覚えておこう。
こんな感じのゲーム画面があったとしよう。画面のリフレッシュレートとフレームレートが同期していれば、このようにスムーズに動く。V-Syncをオンにすれば、フレームレートはリフレッシュレートに追従するからだ。ただし、この滑らかな表示はGPUパワーがリフレッシュレート以上のフレームレートを出せる状況である場合に限定される
V-Syncを有効にすると、毎フレーム必ずリフレッシュレートに合わせて描画できるなら、上図のように画面の滑らかさや画質が担保される。だが、問題はCPUやGPUの性能不足などの理由でフレームレートがリフレッシュレートを下回る場合だ。
そのような場合、「スタッター」という問題が発生する。V-Syncが来るまでにバックバッファーへの描画が終わらない場合、バックバッファーへの描画が終わるまでフロントバッファーにある絵が引き続き表示される。つまり、画面の動きが「カクつく」わけだ。
V-Syncを有効にしても、GPUの性能が足りずスタッターが出る場合。バックバッファーへの描画が間に合わず、フロントバッファーに入っていた前フレームのデータが画面にそのまま表示される。右のディスプレーの内容を注視すれば、同じフレームが続けて表示されていることがわかるはずだ
そこで、操作のレスポンスが重要なゲームシーンでは、V-Syncをオフにすることが慣例となっていた。つまり、V-Syncによるリフレッシュレートの同期を待たずに、GPUが描いたそばから画面を更新することを許容することで、スタッターを回避してE-Eシステムレイテンシーを改善できる。
しかし、V-Syncオフにもデメリットはある。フロントバッファーからフレーム1の内容を画面へ出力している途中、バックバッファーへフレーム2の描画が完了したとする。その場合、描画が完了した次の瞬間、フロントバッファーの内容がフレーム2の内容に“置換されて”しまうのだ。
このような場合、画面の途中から「その時点での」フロントバッファーの内容が出力される。更新途中でフロントバッファーが置換されれば、途中から新しいフレームの内容になる。そうすると、画面が横に分断されたように表示される。これが「ティアリング」と呼ばれるものの正体だ。
とくに、カメラを激しく動かすシーンでティアリングが発生すると、非常に目立つ上に眼も疲れる。スタッターと同様、ティアリングもできれば避けたい現象である。ただし、E−Eシステムレイテンシーは最短なので、ティアリングを我慢することを前提にV-Syncオフで運用している人も多い。
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