日本HPは7月29日、楽天グループと協業し、日本国内のHP製PCを対象にプリバンドルされる「Rakuten AI for Desktop」の提供を開始したと発表した。
現在、世界的にAI活用が拡大する一方で、コスト負担やプライバシーへの懸念からローカル環境でのAI実行に対する需要が高まっている。
Rakuten AI for Desktopは、オンデバイスAIとクラウドAIを組み合わせることで、オフラインでも使えるローカルインテリジェンスと、強大な「楽天エコシステム」へのシームレスな接続を両立した「ハイブリッドAI」体験を提供するという。
オンデバイスとクラウドを柔軟に切り替えるハイブリッドAI
Rakuten AI for Desktopの特徴は、用途に応じてオンデバイスモードとクラウドモードを切り替えて利用できる点だ。
今回初めて、楽天独自の日本語に最適化された高効率な大規模言語モデル(LLM)「Rakuten AI 7B」の特別版となる「Rakuten AI 7B ONNX」が、HPのAI PC向けにオンデバイス実装された。
オンデバイスモードでは、インターネット接続(クラウド環境)に依存せずにAIを利用できる。PCに内蔵されたAI演算能力を活用するため、文章のリライトや要約、翻訳といった日常的なタスクを低遅延かつオフラインで安全に実行可能。クラウドにデータを送信しないため、機密情報を扱う業務でも高いプライバシー性を確保できる。
一方のクラウドモードでは、「Rakuten AI」が提供する専門AIエージェントや、70以上のサービスを展開する「楽天エコシステム」と連携する。
ユーザーは「AIチャットウィンドウ」を通じて、「楽天市場」での商品検索や、「楽天トラベル」での旅行計画、「楽天モバイル」のサポートなど、多岐にわたるサービスについてリアルタイムで支援を受けられる。
さらに、調べ物や画像・動画生成などの便利ツールのほか、英語コーチ、お料理パートナー、占い師といった多様な「コミュニティエージェント」も用意されており、ビジネスからプライベートまで幅広いシーンをカバーする。
日常のワークフローを効率化する快適なUI
操作面でも、シームレスなデスクトップ体験を実現するための工夫が凝らされている。ユーザーの作業を妨げないよう、以下のようなインターフェースが用意されている。
AI チャットウィンドウ
楽天エコシステムのAIエージェントと対話するためのメイン画面。各サービスへの問い合わせを一つの窓口に集約できる
フローティングアイコンおよびシステムトレイ
画面上の任意の場所にドラッグ&ドロップで配置でき、必要な時にいつでも瞬時にAIアシスタントにアクセスできる。
コンテキストアクションバー
要約、翻訳、文章のリライトなどをスムーズに実行できるよう、自動提案機能とインラインメニューを提供。コピー&ペーストや複数ウィンドウを切り替える手間を最小限に抑える。
まずは法人向けから展開、個人向けは10月以降に
本アプリは日本国内のHP製PCにプリバンドルされる形で提供される。ユーザーはPC購入後、設定画面からアプリを有効化するとAI機能の利用を開始できる(オンデバイスモード対応機種であれば追加インストールが可能)。
Rakuten AI for Desktopは、7月29日より日本国内の法人向けHP製PC向けに提供開始。個人向け製品には10月以降の提供を予定している。
ハードウェアを提供する日本HPと、独自のAIモデルおよび巨大な経済圏を持つ楽天のタッグにより、AI PCが「未来の働き方(Future of Work)」を支える基盤としてどう浸透していくのか注目だ。
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