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Red Hat Summit 2026 現地レポート 第3回

「Red Hat AI 3.4」を発表したRed Hatのプラットフォーム戦略とその立ち位置

AIの進化にオープンソースは追随できるのか ―― Red Hat APAC担当CTOに聞く

2026年06月29日 09時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 福澤/TECH.ASCII.jp

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「AIはハイブリッド」であるべき ― AI時代におけるRed Hatの役割

── Red HatがAIを「プラットフォーム」のアプローチで提供する理由を教えてください。

 AIワークロードは従来のマイクロサービス型ワークロードとはまったく異なる。KubernetesはGPUなどのアクセラレータリソースを扱うことを想定しておらず、メモリ管理やネットワーク構成も急速に複雑化している。そこで必要になるのが抽象化のレイヤーであり、これはカーネルレベルで新しいGPUに対応し、オーケストレーション層(Kubernetes)でAI向けの動的リソースを割り当て、その上にアプリケーション構築のためのプラットフォーム層を置く構造になっている。

 多くのユーザーはGPUを意識せず「モデルをサービスとして」利用したいと考えている。これが、我々がAIをプラットフォームとして提供する理由だ。「Red Hat AI 3.4」において、開発者側は標準化されたAPI経由で認定済みモデルにアクセスでき、管理者側は一元的な利用状況の追跡やポリシー適用が可能な「Model-as-a-Service(MaaS)」を提供するのは、こうした考え方を体現している。

── SaaS不要論が出てくるなど、AIはスタックに大きな影響を与えると予想されます。AI時代、Red Hatはどのような役割を担うのでしょうか。

 重要なのは「ハイブリッド」という考え方だ。Red Hat Summitで開催した約20の金融機関とのラウンドテーブルでは、参加企業のすべてが「AIはハイブリッドであるべき」と回答した。これは、AIをデータがある場所に持っていく必要があるという、ビジネスの実態を反映している。すべてのデータとプロセスを単一の中央システムに集約するというアプローチは、多くの企業にとって現実的ではない。私たちが目指しているのは、AIランタイムを、現在ビジネスが動いている場所 ―― つまりパブリッククラウドとプライベートクラウドが混在する環境に持っていくことだ。

 これはSaaSとは別の議論になる。SaaSは基本的にクラウド上の課金形態の一種だが、AIの進化に伴い、AIアプリケーション自体を構築するハードルが大きく下がった。その結果、多くのSaaS型ソリューションは、企業自ら短期間で作り変えられるようになっている。「ロックインされたソフトウェアに料金を払い続けるより、より進化が速く、自社のビジネスに合わせて柔軟に動かせるAIを使いたい」という発想が生まれ始めているのが、今のSaaS業界が抱える大きな課題だ。

 ただ、Red Hatにとっては、顧客の選択がSaaSであっても、オンプレミスであっても、パートナーが構築したものであっても、顧客自身が構築したものであっても変わりはない。我々が注力しているのはプラットフォームの部分であり、その上に何が構築されるかにかかわらず、プラットフォームを提供するという立場に変わりはない。

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