5種類のVtと新ライブラリの追加で、より緻密な動作最適化を実現
まずVtについて。Intel 18AではULVT/LVT/SVT/HVTの4種類だったのが、Intel 18A-PではLVTとULVTの間にULVTLLという新しい電圧を追加している。
Cell Libraryの概観が下の画像である。ちなみにIntel 18Aは連載831回で示した画像を参照してもらいたい。
Intel 18Aでは180nm(180H)が2種類、160nm(160H)が3種類だったのが、今回から4種類/5種類に増えている。要はより細かく動作状態に対応できるようにライブラリーの種類を増やしたわけだが、先も少し書いたようにこれだけ細かくライブラリーがわかれたうえ、ULVTLLを追加となると、どう考えても物理設計をやり直さないとIntel 18A-Pのメリットを生かすのは難しいように思える。
もちろんメリットはなくてもいい(Intel 18Aと変わらない性能でも構わない)という話であれば、Intel 18Aの設計をそのまま使うことはできそうだが。その新しく追加されたライブラリーにおける性能特性が下の画像だ。
W2/W3でも若干の性能改善が施されているが、これに加えてW3Pでは大幅に性能が引き上げられている。ただこれをそのまま使うと消費電力が増えてしまうことになる。ここにW1を追加することで、全体としては動作周波数を抑えながら平均で9%程度の動作周波数改善が可能になった、という理解でいいはずだ。
下の画像がFront End、つまりトランジスタ層の特性をまとめたもので、同じリークなら動作周波数が12%向上していることを示している。おもしろいのが右のグラフで、Intel 18A-Pはそのままでは性能向上は6%程度に過ぎないが、Direct BS Contactを併用することでさらに6%の向上につながるとしていることだ。
そのトランジスタそのものの性能改善が下の画像で、NMOSで5%、PMOSで16%程度の駆動電流増加を実現したとしている。結果としてCMOS全体で言えば6%ほどの性能改善につながったわけだ。
性能改善をどう実現したかの詳細そのものは当然未公開だが、ヒントとして示されたのが下の画像。PMOS側のRibbonFETにおける歪シリコンの作り方を改良したという説明だ。
確かにこちらを831回で示したIntel 18Aの断面図と比べると、少し形状が違い、より整った形状になっているのがわかる。
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