最大の問題点、端末故障時に立ちはだかる認証の壁
eSIM関連ではもう1つ大きな問題がある。それは端末故障時に、すぐにSIMだけ差し替えるということができないことだ。
一部のサービスではeSIMの再発行に本人確認が必要と書いたが、現在の主流はその回線の番号宛にSMSを送信し、そのメッセージ内に含まれる認証番号を照合して、本人が手続きしたものかどうかを確認している。しかし端末が故障していたり、iPadやデータ専用端末のようにSMSが受信できない端末の場合はその方法は不可能だ。端末のリセット時に誤ってeSIMを消去してしまった場合も同様だ。
実は以前の楽天モバイルは、Rakuten IDのメールアドレスに認証番号を送信していたため、どこかにスマートフォンを置き忘れてしまったときでも、その場でeSIM再発行をして別の端末に移すといったことが可能だった。
しかし裏を返せば、メールアドレスとパスワードのセットが流出するなど、不正に楽天モバイルのマイページにログインできると、赤の他人による乗っ取りが比較的容易だった。このことが問題視されて、SMS認証が求められるようになった経緯がある。
では、本当にスマートフォンが故障したり、SMSが受信できない場合はどうするか。楽天モバイルの場合は少し時間がかかるがサポート窓口で本人確認の上で再発行ができる。
一方でドコモ/au/ソフトバンクの場合、パスキーによる認証を設定するとスマートフォンがなければマイページに入れないこともあり、キャリアショップでの対応が原則となる。そして、これらの会社ではオンラインでは無料だが、キャリアショップでの対応では手数料は有料なので、4~5000円の費用がかかり、ショップに赴く時間もかかることになる。
24時間対応でないケースも さらにMVNOでは何日もかかる可能性
対応時間の問題もある。調べた限りではほぼ24時間対応をしているのはMNO4社くらいだ(povo2.0の音声SIMを除く)。夜間はオンラインで受け付けていても、対応は翌日というところが中心で、本人確認をする場合はさらに日数がかかることもある。
さらに端末の故障などでまったく使えなくなると、コールセンターの開始時刻まで待つことになるし、再審査やキャリアショップに行くなど、どんどん時間が必要だ。なお、iPhoneやAndroidの転送についても基本同じ。今後はMVNOの格安SIMでもぜひ対応が進んでほしい。
そこで現在の各通信事業者のeSIM再発行についての状況をまとめた。
現時点で楽天モバイル以外のeSIMはできれば避けたいのが本音
筆者がこれまで使ってきた経験からすれば、24時間対応かつ無料でeSIMの再発行ができ、マイページへのログイン条件が必要以上に厳しくない楽天モバイル以外は、できればeSIMは使いたくないというのが正直なところだ。
現在のところ、iPhone 17シリーズのようにeSIM専用のスマートフォンや、デュアルSIMをするために片方をeSIMにしなければならないスマートフォンがあるため“仕方なく”と思いながら、eSIMを使っている。
それでも手続きの無料化やeSIM転送機能の対応機種が徐々に増えてきたことで、eSIMのデメリットが減ってきているのも事実。オンラインで完結するという本来のメリットを活かし、さらにeSIMを利用するための環境が整ってくれば、物理SIMよりもeSIMがいいという状況になってくるはずだ。早くそんな時代になってほしい。
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