キオクシアがCOMPUTEXで最新技術を発表、3次元メモリーBiCS FLASHが実現する高性能&大容量ストレージの最前線
2026年06月04日 12時30分更新
台湾・台北市で開催中の「COMPUTEX TAIPEI 2026」において、キオクシアは次世代の3次元フラッシュメモリー技術や、AIシステムに最適化した最新のストレージソリューションなどを幅広く展示。生成AIなどの普及により膨大なデータの処理が求められる中、コンシューマー向けからデータセンター、エンタープライズまで、高性能と大容量を両立させる同社の事業戦略が明らかになった。
ブース内で特に関心を集めた技術の一つが「KIOXIA AiSAQ(キオクシア アイザック)」。現在、企業固有のデータを用いてAIの回答精度を向上させる「RAG(検索拡張生成)」の活用が進んでいる。RAGは質問のたびにデータベースを検索するため、従来は高速処理が可能なDRAMが使用されてきた。しかし、DRAMは高価で大容量化が難しく、データ量の増加に伴う運用コストの増大と拡張性の低さが課題となっていた。
この課題に対し、「KIOXIA AiSAQ」はRAGのデータをDRAMではなく大容量のSSDに配置可能にするソリューションを提供。SSDであれば、データを無理なく格納でき、増設やシステム拡張(スケールアウト)も容易となる。DRAMの容量制約から解放されることで、AIはより多くのデータに基づいて正確な回答を導き出すことが可能となる。
フラッシュメモリー技術の展示では、3次元フラッシュメモリー「BiCS FLASH」の次世代に向けた技術移行(マイグレーション)戦略が解説された。チップの積層数が増加すると配線が短縮され性能向上が見込める一方で、一定の積層数を超えると性能や電力効率に悪影響を及ぼすという技術的課題が存在する。
キオクシアは第8世代以降のBiCS FLASHにおいて、ウェハー接合技術である「CBA(CMOS Directly Bonded to Array)」などを導入することでこの課題を克服した。CBAはメモリーセルアレイと周辺回路のウェハーを別々に製造して貼り合わせる技術であり、平面と高さで異なる技術を合体させるこのアプローチは現在キオクシアを含み2社だけと、限られた企業のみが実用化している。さらに、ブロックサイズを縮小する「Home Pitch SGD OPS」技術も併用し、性能と電力効率を向上させている。
同社は現在、第9世代と第10世代を並行して開発しており、第9世代は既存のモバイルおよびPC向けに展開。積層数をさらに増やした第10世代はエンタープライズおよびデータセンター向けに提供される計画とのこと。
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