信号速度は400Gbpsへ
3200G実現に立ちはだかる技術の壁
そんな3200Gであるが、いろいろ変化が発生するとしている。信号速度が倍になる関係で、モジュラーも新しいものが必要になるし、トランシーバー・モジュールそのものも新しくならざるを得ない。
基本的な構成そのものは1600Gと変化がない。ただ信号速度はASICあるいはスイッチとの信号配線が400Gbps(200GT/秒 PAM-4)に跳ね上がるので配線長を相当絞らないと難しいし、DSPに求められる処理性能も倍増するため、動作周波数を引き上げる程度では追い付かない。おそらくプロセスの微細化も必要だろう。
さてまずModulation(変調)方式。シリコン・フォトニクス以外にInP(リン化インジウム)、それとTFLN(薄膜ニオブ酸リチウム)の3方式が候補に挙がっている。この中でInPは相対的に古くから採用されてきており、性能や量産方式は問題ない一方、温度の影響を受けやすい欠点がある。TFLNは比較的最近注目されており、性能や温度非依存性などでは優れているものの、まだ量産には課題が残っている。
この3方式の消費電力を比較したのが下の画像だ。20mというのは一列に並んだラックの横方向の接続には問題ないが、奥行方向の接続まで加味するとおそらく足りない。したがって、2kmの試算を見るのが正しいと思うが、現行のシリコン・フォトニクスの100/200Gに比べると400Gでは大きく効率を引き上げられる、としている。
これをもう少し誇張したのが下の画像で、大きく効率を向上できるとしている。
ほかの問題を全部まとめたのが下の画像である。この中で比較的解が見えているのは一番上(プロセス微細化で消費電力を下げる)だけであり、他の物はまだこれから解決しないといけないものばかりである。
Optics Technologiesに至ってはグラフェンまで名前が出ているあたり、まだいろいろ問題は多いということだ。CPCに関しては基板から直接ケーブルが出るようなイメージを想定しているように見えるが、本気なのだろうか?
もう少し現実的に8×400Gを実現しようとすると、特性の良いPAM-4変調を実現できる素子が必要で、シリコン・フォトニクスでは不可能である。またコネクターも200GT/秒の信号を通せるものが必要であり、現時点でベストなのはCPC(Co-Package Copper)であるとしている。
現時点ではPAM-4がIM/DD(強度変調・直接検波)を利用する場合の現実的な解だとしている。IM/DDに頼らない方法としてはコヒレント変調という方式があって、こちらは主に長距離向けに広く使われているが、コストも消費電力も大きくなりがちであり、短距離の接続にはやや過剰である
この場合のCPCとは、要するにシリコン・インターポーザーなどを使った基板上の短距離配線の意味であり、これに直接接続できるようなコネクターを考える必要があるわけだ。
これらの難しさのポイントは、200GT/秒という信号速度に起因するものである。ではこれを下げるにはどうするか? というと1つの案がPAM-6である。
Gearboxは信号速度と幅を変更するもの。PAM-6の場合、200GT/秒の4値の信号を170GT/秒の6値に変更する(そして反対側ではこの逆を行なう)必要がある。この回路をGearboxと呼ぶが、このGearboxの実装には8pJ/bitの追加の消費電力が必要になる時点であまり現実的ではない
PAM-6を使うことで信号速度は170GT/秒程度まで下げられるのだが、OSNR(Optical Signal Noise Ratio:信号とノイズの比)が4dB(2.51倍程度)悪化する。これをカバーするためには、より強力なFEC(Forward Error Correction:エラー訂正技法のひとつ)が必要になるほか、Gearboxの消費電力がバカにならないので現実的ではない、とする。
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