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「契約後の体験のリッチ化」を実現するデジタルならではの取り組み

建設中の我が家をマイクラ感覚で見られる「TATETA」 基盤はオープンハウスのDX力

2026年04月15日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 マイクラのような感覚で建てている家をリアルタイムに見られる新アプリがオープンハウス・アーキテクトの「TATETA(タテタ)」だ。自社開発の施工管理システム「Architect Jump」を基盤に開発され、施主の「建築中の我が家の様子をいち早く知りたい」というニーズに応える。発表会では、製販一体のビジネスモデルで売上高1.3兆円超えを達成したオープンハウスのDX力がアピールされた。

アニメとイラストで建築中の我が家をチェックできる「TATETA」

自社開発のツールでDXを進めてきたオープンハウス

 オープンハウスは、戸建て事業を中心に、マンション、収益不動産、アメリカ不動産、投資用マンションなど総合不動産事業を展開する。製造、販売、管理を一体化したビジネスモデルによって、「都心でも手の届く好価格」で住宅を販売する業界の風雲児は、2023年に売上高1兆円を突破。平成に設立された会社で売上高1兆円を突破したのは、同社と楽天のみだという。

 そんなオープンハウスは2021年からDXを本格化させてきた。ITの内製化により、不動産業界特有の時間のかかるアナログ業務を徹底的に削減し、事業期間の短縮や売上高の拡大を実現してきた。KPIとしている年間の削減時間で11万時間、年間の土地仕入れ情報も9.2万の情報量を達成してきたという。

オープンハウスはDX推進で企業価値を創出してきた

 このDXの駆動エンジンが300におよぶ自社開発ツールだ。物件の住所を入力するだけでライフラインの情報を自動収集するツール、名刺管理と営業先マップを組み合わせたフルスクラッチのSFA、AIを用いた販売資料の作成アプリ、物件案内図の帯替え自動化システムなどで、業務を極力自動化。営業が顧客対応に専念できる環境を構築しているという。

「建設中の我が家が見えない」 施主の不安によりそうTATETA

 そして、このオープンハウスグループのグループ会社であるオープンハウス・アーキテクトが「顧客体験の向上」を目指して開発したのが、今回発表されたTATETAになる。

 住宅の建築において顧客が一番不安を抱えるのは、実際の施工だという。契約と仕様決めで期待感が高まっているにも関わらず、建てている途中は施工のフローがわからず、施主は不安を抱きがちだ。もちろん、現場に訪問したり、営業からの情報は受けるが、リアルタイムではなく、そもそも施工のフローもわからない。建築状態を施主にリアルタイムに共有することで、この不安を安心感とワクワク感に変えるのがTATETAというわけだ。

施主の不安は施工中にあり

 TATETAは注文住宅の建設過程を親しみやすいイラストとアニメで可視化してくれる。住宅を注文する施主は、着工前から引き渡しまでの9工程のうち「今どこまで来ているか」を、アプリからパーセンテージとイラストでリアルタイムに把握できる。3Dのイラストは屋根や家の形状、カラー、階数、バルコニーの有無など、実際の住宅の特徴を表しており、クリックすると詳細工程の解説も見られる。

 家づくりの状況は家族や友人とSNSでシェアでき、現場から共有する写真も閲覧できる。家の建設後に引き渡された後は、工程ごとの写真が「おうちアルバム」として提供され、建設記録としていつでも振り返れるという。さらに図面や仕様書などの物件資料も、アプリからいつでもダウンロードできるようになっている。見た目のポップさのみならず、実用度も高い。

施工から引き渡しまでをカバーするTATETA

進捗状況もリアルタイムでわかり、工程も%表示される

TATETAの基盤に独自の施工管理システム「Architect Jump」

 このTATETAの基盤となっているのが、「Architect Jump」というオープンハウス・アーキテクト独自の施工管理システムだ。発表会では、Architect Jump事業を推進してきたオープンハウス・アーキテクト DX推進部 次長 田中健次氏がArchitect JumpとTATETAについて説明した。

Architect Jump事業を推進してきたオープンハウス・アーキテクト DX推進部 次長 田中健次氏

 Architect Jumpは職人不足と高齢化、業務の属人化といった建設業界の課題を解決すべく、2021年から開発がスタート。「現場主体」をキーワードに、スマホで簡単に現場の状況を共有できる仕組みとしてリリースされた。その後、現場監督用、営業/法人顧客用、業者用にユーザーインターフェイスが最適化された「Architect Jump PRO」がリリースされ、関係者すべてが同じ形式、同じ粒度で情報を共有できる環境が整ったという。

 「現場主体」を掲げるArchitect Jumpは、実績と効果も高い。社内では99%の社員がリアルタイムで情報を入力し、ITが苦手とされる職人さんの利用率も80%を超えている。業務効率化により、工期は平均で13%短縮され、認識違いなどから生じる出戻りコストも80%削減できているとのこと。同じ情報の粒度を最適な形で取得し、認識の齟齬がなくなったことで、大きな効果を上げているわけだ。

Architect Jumpの実績と効果

 TATETAはこのArchitect Jumpの施工管理データをエンドユーザーである施主向けにアプリ化したもの。既存システムを基盤として活用することで、スピーディかつ低予算でのシステム開発が可能になったという。また、VRや写真ではなく、アニメやイラストでエンタメ性を持たせたこと、建設業界で進む「契約後の体験のリッチ化」に貢献。今後は、自社物件のみならず、建築を請け負う不動産事業者にもTATETAを提供することで、「建築中もオープンな家づくり」を展開していくという。

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