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“製造・卸・小売”の垣根を越えてサイバーリスクに対抗

業界横断で“サイバー攻撃から供給網を死守” NTT・アサヒ・トライアルらが「流通ISAC」始動

2026年04月07日 08時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 生活のライフラインを支える巨大な社会インフラである「流通業」。しかし、製造・卸・小売が密接につながる構造ゆえに、一社で発生したサイバーインシデントの影響が広範囲に波及するリスクも抱えている。もはや企業・団体ごとのセキュリティ対策が限界を迎える中、業界横断で脅威に立ち向かう取り組みが始動した。

 アサヒグループジャパン、トライアルホールディングス、三菱食品およびNTTの4社は、2026年4月6日、飲食料品・日用品を中心とした流通業界でセキュリティ情報を共有する枠組みとして、「流通ISAC(Information Sharing and Analysis Center)」を4月中に設立することを発表した。ISACの枠組みは、情報通信や金融、自動車の各業界が先行しており、流通業界では初めてとなる。

(左から)アサヒグループジャパン 代表取締役社長 兼 CEO 濱田賢司氏 / トライアルホールディングス 代表取締役社長 永田洋幸氏 / 三菱食品 相談役 京谷裕氏 / NTT 代表取締役社長 社長執行役員CEO 島田明氏(提供:NTT)

業界の垣根を越えてサイバーリスクに対抗する

 現在、流通業界は人手不足や物流コストの高騰、サプライチェーンの複雑化など激しい環境変化の渦中にある。こうした課題の解決に向け、業界各社がAIやDXを推進する一方で、デジタル化が進展するほどサイバーリスクも高まっていく。前述のサプライチェーンリスクも相まって、業界の垣根を越えた防御体制の構築が急務となっている状況だ。

 こうした背景を受け、製造・卸・小売が一体となった、セキュリティ情報の共有組織「流通ISAC」が誕生する。業界全体でサイバーリスクによる供給網の混乱を抑制することを目的としており、広く賛同企業を募りながら、2026年4月内に設立される予定だ。

流通ISACの概要

 設立発起人には、アサヒグループジャパンやトライアルホールディングス、三菱食品に加え、花王、サントリーホールディングス、スギホールディングス、PALTAC、三井物産流通グループの8社が名を連ねる。加えて、NTTとNTTドコモビジネスが事務局としての役割を担う。

流通ISACの設立発起人

 流通ISACは、主に以下の3つの活動を軸に運営される。これらの活動は、月1回ペースで開催するワーキンググループを通じて具現化されていく予定だ。

1.「脅威・インシデント情報」の収集・分析・共有
製造・卸・小売横断でサイバー攻撃の兆候や被害事例を把握・共有し、業界内での注意喚起および初動対応の高度化を図る。

2. 流通業界の「ベストプラクティス」の整理
各種セキュリティガイドラインに対する各社の取り組みや知見を持ち寄り、業界特性を踏まえた実践的な指針として整理する。

3. 情報セキュリティに関する「啓発・人材育成」
実務担当者および経営層・管理者のスキル向上を目指し、勉強会、演習等を通じて、現場における対応力の底上げを図る。

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