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GeForce RTX 50シリーズまとめ 第36回

RTX 5080とRTX 5070とRTX 5060で効果の差がだいぶ違う?

平均108fpsが517fpsに!?DLSS-MFGの6xモードとダイナミックマルチフレーム生成は確かにすごかった、でも弱点もあった

2026年04月11日 10時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトライッペイ/ASCII

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高性能なGPUほどフレーム生成によるPCレイテンシーも短い

 フレームレートの傾向がわかったところで、次はレイテンシーの話をしよう。フレーム生成は2枚の連続したフレームの中間にGPUがフレームを挿入するため、、フレーム生成を使わない時よりもPCレイテンシーは長くなる。PCレイテンシーとはなにかについての詳細は割愛するが、あるフレームの処理開始からディスプレーに映像信号が出力されるまでのタイムラグのことだ。

DLSS 4.5

PCレイテンシーとは、CPUで新しいフレームの処理をする瞬間から、ディスプレーを更新するまでの時間のこと。CPU〜GPUが責任を負う処理時間ともいえる。CPUとGPUの性能と、描画処理の重さがPCレイテンシーに強く影響する

 なお、実際のラグはこれに入力デバイスのコントローラーがPCに向けてシグナルを送るまでのラグと、ディスプレーのドットの色が変化するまでのラグが加わる(これがEnd-to-Endシステムレイテンシーである)。なお、PCレイテンシーはFrameViewやCapFrameXでフレームレートを計測することで算出できる。

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Cyberpunk 2077:フルHD時のPCレイテンシー

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Cyberpunk 2077:WQHD時のPCレイテンシー

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Cyberpunk 2077:4K時のPCレイテンシー

 GPU性能が高いほどPCレイテンシーは短縮され、描画負荷が軽いほどさらに短くなる。今回検証した中ではRTX 5080が最も高性能なGPUであるため、PCレイテンシーが最も短い。フレーム生成を使わない状態を基準にすると、解像度が高くGPUのランクが低くなるほどに、DLSS-MFG利用時のPCレイテンシーが長くなる傾向にある。

 たとえば、RTX 5080の場合、フルHDであればDLSS-MFG 6xを利用しても、PCレイテンシーの増加は20%未満だ。しかし、4Kともなると41%に増大する。RTX 5070の場合、フルHD時はDLSS-MFG 6x使用時で+30%、4Kでは+50%といった感じだ。WQHDまでならレイテンシーの増大を強く意識せずにプレイできる、と書くこともできるが、どこまでPCレイテンシーの増加を許容するかはプレイヤー次第だ。

 ただし、RTX 5060はそんなレベルではない。WQHD以上の解像度ではPCレイテンシーが100msを超え、4Kともなると500msに迫る。つまり、0.1秒から0.5秒のラグが発生しており、フレームレートが数字上120fps以上でも到底快適なプレイ環境とはならない。

 考えてみれば当然の話だが、DLSS-MFG 6xは性能が低いGeForceを4Kゲーミング可能な領域に引き上げる機能ではなく、もともとある一定レベルのフレームレートが出せるGeForceのQOLを向上させるスパイスのようなものだ。つまり、もとのフレームレートが極端に低ければ、DLSS-MFG 6xの恩恵は小さくなるのだ。

 言い換えれば、RTX 5060でも画質設定を下げてもとのフレームレートを一定水準まで上げれば、DLSS-MFG 6xやDLSS-DMFGは有効に働くだろう。フレーム生成のない状態でおおよそ60fps以上出せるような設定に調整してから、DLSS-DMFGを利用してディスプレーの性能をフルに使えるフレームレートに引き上げてもらう、という運用がベストだろう。

RTX 5060はVRAM不足が祟って仕事ができない

 RTX 5060のPCレイテンシーが異常に長いが、この時GPUやCPUはどうなっているのか? そこで、ベンチマーク中にGPUとGPUが消費した電力の平均値をチェックしてみた。今回の検証では電源ユニットからビデオカードに流れる電力を計測するHWBustersの「Powenetics v2」を利用している。

 ちなみに、検証の都合上、PCI Express x16スロットに流れる電力は除外せざるを得なかった。RTX 5080やRTX 5070はx16スロット経由の電力はとても小さいので無視できるとはいえ、RTX 5060に関しては無視できない設計である。そのため、RTX 5060のみドライバー経由で取得できるGPU Powerで比較することにした。

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Cyberpunk 2077:フルHD時のGPUとCPUの平均消費電力

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Cyberpunk 2077:WQHD時のGPUとCPUの平均消費電力

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Cyberpunk 2077:4K時のGPUとCPUの平均消費電力

 まずRTX 5080やRTX 5070の場合、GPUの消費電力はフレーム生成を使わない時が最も低く、DLSS-MFG 6xモード使用時に最大となる傾向が確認できた。GPUで中間フレームを生成する作業にも電力が必要になるから当然の話だ。ただし、解像度が高くなるほどフレーム生成時とフレーム生成不使用時の差が縮まってくる。

 対してRTX 5060は、解像度が高くなると逆に消費電力が下がっていた。普通は解像度を上げるとGPUの負荷が増えるので消費電力も増大するもの。しかし、負荷の増大に対して消費電力が減少する場合は、単にGPUの処理性能が「不足しすぎたため」処理が止まっていることを示している。

 つまり、RTX 5060だけWQHD以上のPCレイテンシーがとんでもなく大きい原因は、負荷が重すぎて仕事が滞っているためだ。ではなぜ仕事が滞るのかといえば、RTX 5060はVRAM搭載量が8GBと少なく、パストレーシング+高画質設定のデータを保持しきれないからだ。DLSS-DMFGやDLSS-MFG 6xモードは、エントリークラスのGPUにハイエンドGPU向けの処理を無理にさせるための機能ではないのだ。

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