安全設計と注意点
Coworkはローカルフォルダを操作できるが、自由に触れるわけではない。最初にユーザーが許可したフォルダだけが対象になる。許可していない場所にはアクセスしない。
さらに、ファイルの移動や作成、変更を行う前には必ず確認画面が表示される。対象パスと実行内容を確認し、承認して初めて処理が実行される仕組みだ。macOS版では処理が仮想環境内で行われ、ホスト環境への直接的な影響を抑える構造になっている。
前回紹介したOpenClawが広い権限で自律的に動く設計だったのに対し、Coworkは操作範囲を限定し、都度確認を挟む設計だ。自由度よりも制御性を優先している。
とはいえ、誤操作の可能性がゼロになるわけではない。指示が曖昧なら意図しない変更が起きることもある。削除や上書きが関わる場合は確認内容を必ず読むべきだ。Research Preview段階であることも踏まえ、重要データはバックアップ前提で扱うのが現実的だ。
対応環境・料金・使い分け
Claude Desktopは当初macOS(Apple Silicon)限定だったが、2月10日にWindows版(x64)がリリースされ、機能差なく利用できるようになった。
料金プランは以下の通りだ。CoworkはFree(無料)プランでは利用できない。最低でもProプラン(月額20ドル)が必要になる。
| プラン | 月額 | Chat | Cowork | Code | 使用量の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| Free | 無料 | ○ | × | × | 基本的な対話のみ |
| Pro | 20ドル(約3,000円) | ○ | ○ | ○ | 5時間ローリングウィンドウで制限あり |
| Max 5x | 100ドル(約15,000円) | ○ | ○ | ○ | Proの5倍 |
| Max 20x | 200ドル(約30,000円) | ○ | ○ | ○ | Proの20倍 |
気をつけたいのはCoworkの使用量だ。Chatでの通常の対話と比べて、Coworkはタスクあたりの消費量がかなり大きい。公式も「Coworkは使用量が多くなる場合があります。最適な体験のために、Maxへのアップグレードをご検討ください」と注意喚起しており、体感でも数時間程度で制限に引っかかるため、一日中使い続けるような運用にはMaxプランが現実的だ。まずはProで試してみて、足りなければMaxに上げる、という順番でいいだろう。
CLIを越えて、実務へ
ローカルファイルの読み書きやターミナル実行は、これまでもClaude Codeなどで可能だった。ただし前提はCLIだ。コマンド入力に慣れていないユーザーにとって、黒い画面は依然として高いハードルになる。エンジニアには自然な操作でも、一般ユーザーはそこで止まってしまう。
Coworkは、その壁を下げるための実装だ。フォルダ許可制と確認ダイアログを前提に、GUI上から実ファイル操作まで踏み込める。ターミナルを経由せず、「AIに作業を任せる」体験を日常業務の延長線上に置いた点が最大の特徴である。
自由度を広げる方向ではなく、範囲を区切って確実に実行する方向へ。派手さよりも制御性を優先した設計は、実務で継続利用できるかどうかに直結する。CLI前提だった領域に、こうした敷居の低い実行型AIが広がるかどうか。そこが次の分岐点になる。
1969年生まれ。ウェブサイト制作会社から2003年に独立。雑誌、書籍、ウェブサイト等を中心に、ソーシャルメディア、クラウドサービス、スマートフォンなどのコンシューマー向け記事や、企業向けアプリケーションの導入事例といったエンタープライズ系記事など、IT全般を対象に幅広く執筆。2019年にはタイのチェンマイに本格移住。
新刊:発売中「生成AI推し技大全 ChatGPT+主要AI 活用アイデア100選」、:https://amzn.to/3HlrZWa

この連載の記事
-
第45回
AI
面白すぎて危険すぎ! PCを“勝手に動かす”AI、OpenClaw(旧Moltbot/Clawdbot)とは -
第44回
AI
「こんなもの欲しいな」が、わずか数時間で形になる。AIツール「Google Antigravity」が消した“実装”という高い壁 -
第43回
AI
ChatGPT最新「GPT-5.2」の進化点に、“コードレッド”発令の理由が見える -
第42回
AI
ChatGPT、Gemini、Claude、Grokの違いを徹底解説!仕事で役立つ最強の“AI使い分け術”【2025年12月最新版】 -
第41回
AI
中国の“オープンAI”攻撃でゆらぐ常識 1兆パラ級を超格安で開発した「Kimi K2」 の衝撃 -
第40回
AI
無料でここまでできる! AIブラウザー「ChatGPT Atlas」の使い方 -
第39回
AI
xAI「Grok」無料プラン徹底ガイド スマホ&PCの使い方まとめ -
第38回
AI
【無料】「NotebookLM」神機能“音声概要”をスマホで使おう! 難しい論文も長〜いYouTubeも、ポッドキャスト化して分かりやすく -
第37回
AI
OpenAIのローカルAIを無料で試す RTX 4070マシンは普通に動いたが、M1 Macは厳しかった… -
第36回
AI
無料で「Gemini 2.5 Pro」が使える!グーグル「Gemini CLI」の使い方を簡単解説 - この連載の一覧へ





