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田口和裕の「ChatGPTの使い方!」 第46回

面倒なファイル整理、AIに丸投げできる? 「Claude Cowork」をガチ検証

2026年02月27日 17時00分更新

文● 田口和裕

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安全設計と注意点

 Coworkはローカルフォルダを操作できるが、自由に触れるわけではない。最初にユーザーが許可したフォルダだけが対象になる。許可していない場所にはアクセスしない。

 さらに、ファイルの移動や作成、変更を行う前には必ず確認画面が表示される。対象パスと実行内容を確認し、承認して初めて処理が実行される仕組みだ。macOS版では処理が仮想環境内で行われ、ホスト環境への直接的な影響を抑える構造になっている。

 前回紹介したOpenClawが広い権限で自律的に動く設計だったのに対し、Coworkは操作範囲を限定し、都度確認を挟む設計だ。自由度よりも制御性を優先している。

 とはいえ、誤操作の可能性がゼロになるわけではない。指示が曖昧なら意図しない変更が起きることもある。削除や上書きが関わる場合は確認内容を必ず読むべきだ。Research Preview段階であることも踏まえ、重要データはバックアップ前提で扱うのが現実的だ。

対応環境・料金・使い分け

 Claude Desktopは当初macOS(Apple Silicon)限定だったが、2月10日にWindows版(x64)がリリースされ、機能差なく利用できるようになった。

 料金プランは以下の通りだ。CoworkはFree(無料)プランでは利用できない。最低でもProプラン(月額20ドル)が必要になる。

プラン 月額 Chat Cowork Code 使用量の目安
Free 無料 × × 基本的な対話のみ
Pro 20ドル(約3,000円) 5時間ローリングウィンドウで制限あり
Max 5x 100ドル(約15,000円) Proの5倍
Max 20x 200ドル(約30,000円) Proの20倍

 気をつけたいのはCoworkの使用量だ。Chatでの通常の対話と比べて、Coworkはタスクあたりの消費量がかなり大きい。公式も「Coworkは使用量が多くなる場合があります。最適な体験のために、Maxへのアップグレードをご検討ください」と注意喚起しており、体感でも数時間程度で制限に引っかかるため、一日中使い続けるような運用にはMaxプランが現実的だ。まずはProで試してみて、足りなければMaxに上げる、という順番でいいだろう。

CLIを越えて、実務へ

 ローカルファイルの読み書きやターミナル実行は、これまでもClaude Codeなどで可能だった。ただし前提はCLIだ。コマンド入力に慣れていないユーザーにとって、黒い画面は依然として高いハードルになる。エンジニアには自然な操作でも、一般ユーザーはそこで止まってしまう。

 Coworkは、その壁を下げるための実装だ。フォルダ許可制と確認ダイアログを前提に、GUI上から実ファイル操作まで踏み込める。ターミナルを経由せず、「AIに作業を任せる」体験を日常業務の延長線上に置いた点が最大の特徴である。

 自由度を広げる方向ではなく、範囲を区切って確実に実行する方向へ。派手さよりも制御性を優先した設計は、実務で継続利用できるかどうかに直結する。CLI前提だった領域に、こうした敷居の低い実行型AIが広がるかどうか。そこが次の分岐点になる。

田口和裕(たぐちかずひろ)

 1969年生まれ。ウェブサイト制作会社から2003年に独立。雑誌、書籍、ウェブサイト等を中心に、ソーシャルメディア、クラウドサービス、スマートフォンなどのコンシューマー向け記事や、企業向けアプリケーションの導入事例といったエンタープライズ系記事など、IT全般を対象に幅広く執筆。2019年にはタイのチェンマイに本格移住。
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