●飛ばすための準備は命がけ。安全運航を守る専門車両
【安全運航を守る「整備・支援のプロ」】
飛ぶ前に終わっていなければならない作業があります。最後は、飛行機のコンディションを整える専門車両たちです。
⑧ スノーバー
冬の空港で安全を守る守護神です。アームの先にゴンドラやノズルがついており、機体に積もった雪や氷を取り除いたり、凍結防止液(防除雪氷液)を散布したりします。翼に氷がついていると揚力が得られなくなるため、冬場の安全運航には欠かせない存在です。
⑨ リフト・カー
トラックの荷台部分がそのまま垂直に上昇するユニークな車両。エンジンや翼、ドアなど、高所にあるパーツの整備を行う際に使用されます。重い整備機材を持ち上げたり、整備士さんが乗り込んで作業したりするための「足場」となります。
⑩ ホイール・ブレーキ・チェンジャー
航空機のタイヤは巨大で非常に重いものですが、この車両はそれを交換するための専門車両です。
車両にはクレーンや、タイヤを挟んで保持する「ホイールドーリー」という装置が装備されています。重いタイヤをミリ単位で位置合わせし、安全かつ効率的に脱着作業を行います。
⑪ 電源車
駐機中の飛行機に、電気を供給するための「移動式発電所」です。飛行機はエンジンを止めている間、機内の照明や空調、計器類に必要な電気を外部から受け取る必要があります。
「Aircraft servicing(航空機サービス)」カテゴリー(45台)に含まれる車両の一つで、機体の外部電源接続口にケーブルを繋いで電力供給を行います。ちなみに、一部の航空機牽引車(TUG)には、この電源機能が内蔵されているタイプもあります。
●次に空港へ行ったら、窓の外を見てほしい理由
これらいわゆる自動車やトラックの形状をしたものは、公的な運転免許のほか、ANA独自の資格認定試験があり、誰でも運転や操作ができるわけではないそうです。羽田空港には、今回ご紹介した以外にも、機内の清掃や備品補充を行う車両(Cabin servicing)や、制限エリア内を走るバスなど、多種多様な車が働いています。
次に空港へ行ったら、搭乗前の待ち時間にぜひ窓の外をのぞいてみてください。そこでは、名前も知られていない“プロ専用の車”たちが、今日も黙々とフライトを支えています。飛び立つ飛行機だけでなく、「あ、あれはハイリフトローダーだ!」、「今のプッシュバックはトーバーレスだな」などと観察して過ごすと、空港で待つ時間もより楽しいものになるかもしれません!
この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)
世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

この連載の記事
-
第131回
トピックス
海外でぼったくりを避けるには? タクシーが不安な人向け配車アプリ11選【最新版】 -
第130回
トピックス
2026サッカーW杯、日本戦の“もう一つの開催地”は、初メキシコでも行けるレベル -
第129回
トピックス
その旅行、本当に大丈夫? 2026年、知らずに行くと確実に“損する”ポイントまとめ -
第128回
トピックス
パリやフランクフルトより便利? 欧州旅行で使いやすかった空港とは -
第127回
トピックス
1ユーロ180円時代なのに…ヨーロッパで“ビール89円”の街があった -
第126回
トピックス
ヨーロッパでGemini丸投げ観光やってみた -
第125回
トピックス
ボディの下に隠れていたのは…ANA新デザイン機の正体がついに判明【初公開】 -
第124回
トピックス
2026年は“穴場”が主役!円安でも行ける、旅賢者おすすめコスパ最強旅先 5選【保存版】 -
第123回
トピックス
【え、1日16円?】eSIMが激安すぎる世界線が来ていたので、海外で試してみました -
第122回
トピックス
JAL・ANAの航空券が過去最大値下げ!ブラックフライデー最新情報まとめ【2025年版】 - この連載の一覧へ





















