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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第141回

AIエージェントにお金を払えば、誰でもゲームを作れてしまうという衝撃の事実 開発者の仕事はどうなる?

2026年01月26日 07時00分更新

文● 新清士

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Google Antigravityでローカルに移植する

 昨年11月に公開されたAntigravityは、AIエージェントが主体のコード生成環境です。ローカル環境にインストールして、マイクロソフトの無料のコードエディタ「VSCode」として組み合わせて使います。現在はベータ版として無料で使うことができますが、作業量に応じたレート制限があるため、本格的に使うにはProプラン以上の課金が前提になっています。

 コード作業はGemini 3 Proを使うのが基本ですが、レートを使い切った場合には、Gemini 3 Flashや、GPT-OSS 120Bなどに切り替わります。任意に切り替えられるので、Gemini 3 Proは高コストなので、最初の重要な作業はProを使い、細かな作業は低コストのFlashを使うなどの使い方の切り替えは必要そうです。

 Manusで作成したコードをダウンロードしたフォルダを読み込ませ、それをローカル環境でスタンドアローン動作する形で移植するように指示しました。AIは移植計画を作成し、それを実行していきます。コードを分析して、npmの環境構築から始まり、依存関係のインストール、ビルドまでが一気に進みました。途中で色々なファイルをネットからダウンロードしてよいか、ファイルの変更をしてよいかといった確認が入ってきますが、その都度「Accept」(承諾)ボタンを押し続けるだけで、どんどん進んでいきます。

 結果、移植作業は30分程度で完了し、ローカルPC上で動かせる環境が整ってしまいました。あまりにもあっさり完了したので、拍子抜けしました。

Antigravityの画面。中央に移植時に行ったログが表示されている。右側で、AIに指示をしていく

 この後、様々な新機能も開発していきました。ストーリーを完全にオリジナルにするために、過去に筆者が書いていた短編をベースにすることにしました。どうせならと、サンプルシナリオも、AIに考えさせることとします。筆者が書いている短編「百夜アンドロイド記」の一部の話を読み込ませ、近未来のサイバーパンク的な世界案を作り、さらに、ストーリー案を作らせました。筆者の文章やセリフの言い回しの癖も分析させ、それをセリフの作成時に反映させるようにしました。

移植後の作業進捗。作業ログデータから再構成したもの

Antigravityでゲームを作成している様子

 結果、主人公は、昼間はアンドロイドのメンテナンスをするジャンク屋で、アンドロイド専門の探偵でもある「先生」と助手アンドロイドの「レイシー」のコンビが、ロボット警察の「ハコザキ01」から持ち込まれる事件を解決する探偵モノという設定になりました。

 さらに、シナリオを作成するために出させたいくつかの案から、「雨の交差点の幽霊」を選び、その冒頭部を作ることにしました。最初の冒頭の会話があり、捜査パートがあり、推理パートが起きるというものです。

 セリフなどはすべて、計画プランに合わせてAIが考えたものです。キャラクターや背景はグーグルの画像AI「Nano Banana Pro」で作成しています。画像はAntigravityでも生成できますが、レート制限が厳しいので、一部だけです。

 作業は、新しい機能の追加と、そのバグ取りの作業が中心になります。一つ追加しては、それがちゃんと動いているかどうかを確認することの繰り返しです。2日程度ブラッシュアップを続けたことで、インタラクティブ性のある最初のモックができあがりました。Manusで作った最初のバージョンから、かなり印象が変わったものになりました。

 最初からAntigravityで作成していたらどうだったのか比較はできませんが、Manusで骨格を作っていたことが速度を速めた要因にはなっているとは思います。

△「99番区の事件簿」デモを録画したもの。トータルのボリュームとしては3分半ほど。もちろん、画像はすべて仮のものであり最適化はされておらず、また音は入れていない

「99番区の事件簿」の会話パート。主人公の先生とレイシーの会話シーン

「99番区の事件簿」の捜査パート。街なかを左右移動しながら、オブジェクトに近づくとクリックして会話が起きる

「99番区の事件簿」の推理パート。キーワードから5つを並べ替えて推理する。ヒントなども表示される

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