Manusでアドベンチャーゲームを作ってみる
Manusは他のサービスと違うのは、最初からエージェントAIとしてサービスを展開している点です。自社でLLMなどのモデルを開発しているのではなく、グーグルやOpenAI、Anthropicと契約していて、エージェントAIが作業内容に応じて最適なモデルを決定し、APIを叩く設計になっています。Geminiも、GPTも、Claudeも、その他、画像系から動画系のAIまで使います。作業を指示したユーザーには、どのAIを使っているのかは提示されません。マーケティング調査、プレゼン資料作り、動画作成などの作業もできます。指示した情報に合わせ、ネット上から情報を収集してきて、そこから求められる最適な結果を作ろうとします。
もちろん、AIと対話しながら感覚的にコードを書く、いわゆるバイブコーディングによるプログラミング作業も可能で、ゲーム開発にも使えます。
エージェントAIでは、全体的な計画を作成させてから個別の作業を進めさせたほうが的確な結果が出やすいです。そこで、まずは以下のようにプロンプトで指示します。
<プロンプト>
「都市伝説解体センター」みたいなゲームを作りたい。
作りたいのは、背景で小さなキャラクターを移動させて、会話になると対象者をアップにするみたいなもの。ゲームをまず調べて、その仕様をまずまとめて。
すると、Manusは「都市伝説解体センター」についての情報をネット上から集めてきて、代表的な仕様と特徴を3つにまとめてきました。特徴的なUIで探索をする「SNS調査パート」、現地で調査する「実地調査パート」、推理する「解体パート」は、まさにこのゲームを特徴づけるものです。
そのうち、ゲームの基本部分の「実地調査パート」を中心に作ってみることにしました。「都市伝説解体センター」はもともとUnityで開発されたようですが、Web技術でも開発が可能かとManusに確認したところ「はい、Web技術(HTML/CSS/JavaScript)のみで、汎用会話システムを構築することは十分に可能です。ReactやVueなどのフレームワークを使わずに、ピュアなJavaScriptとCSSを使って、軽量でカスタマイズしやすい環境を作成しま。」との返答があったので、すべて任せて開発を進めさせました。
10分もすると最初のバージョンができあがってきました。キャラクターの画像なども必要になるため、仮画像を渡すと適当にサイズを処理したり、アルファを抜いた画像に変換したりと、作業を進めてくれます。その結果を見て、デバッグしたり、機能追加を指示したりということをやっていきます。
Manusに指示し、その結果を見て修正作業を繰り返すことで、少しずつゲームができあがってきます。ただし、バイブコーディングあるあるですが、実装をしている時間よりも、デバッグをしている時間の方が長くなります。
そして、できあがったのが「Urban Legend Adventure System」というゲームです。
このゲームでは、キャラクターを操作して、人物(水色)とオブジェクト(赤)に接触して、会話イベントを通じて、キーワードを収集していきます。5つのキーワードを収集すると、推理モードに移行し、何が起きたのかをワードを並べて推測するという仕組みになっています。シナリオも、サンプルをManusに作成させました。1日もやり取りを繰り返すと、インタラクションができるモックが具体化します。
Manusが便利なのが、これらをManusのドメインを使って、すぐに公開できる点です。以前ご紹介したAnthropic「Claude Code」の環境では、GitHubにアップしてVercelに公開するといった手間がかかります。Manusの場合は、ボタン一つで公開でき、その後のアップデートもすぐ反映させられます。PCブラウザだけでなく、スマートフォンにも対応してくれます。(参考:「AI丸投げのゲーム開発が超楽しい 誰もがプログラムを作る時代は確実に来る」 )

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