縦に伸びるThinkPadの狙いは「“閉じたら終わり”のPCを変えること」
パーソナルAIは1つ、デバイスは複数 ― レノボ・ジャパン副社長にデバイス戦略を聞く
2026年01月20日 07時00分更新
世界のPC市場でトップシェア※注を誇るLenovo。同社が2026年1月に米国ラスベガスで開催した「Lenovo Tech World @ CES」では、Thikpadブランドの画面が縦に伸びるローラブルPC、ゲーミングPCのLegionブランドで画面が横に広がるPCと、ユニークなコンセプトモデルを披露した。
Tech World @ CESの会場で、レノボ・ジャパン執行役員 副社長 開発担当で大和研究所を率いる塚本泰通氏に、ThinkPadを中心とした同社のPC/パーソナルデバイス戦略について聞いた。
“伸びるThinkPad”の発想は「閉じても終わらないPC」から
Tech World @ CESで発表されたThinkPadブランドのPC新製品は、「ThinkPad X9-15p Gen 1 Aura Edition」「ThinkPad X1 Carbon Gen 14 Aura Edition」「ThinkPad X1 2-in-1 Gen 11 Aura Edition」と、すべて“Aura Edition”を名乗っている。このAura Editionとは、LenovoがIntelとの協業により開発するAI PCであり、「Intel Core Ultra」プロセッサーを搭載する。
こうした新機種に混じって展示されていたのが、コンセプト端末の「ThinkPad Rollable XD Concept」である。PCの上部を指で軽くなでると、画面が縦方向にロールして伸び始める。Lenovoではすでに2025年、ThinkBookブランドでローラブルPCを披露済みだが、今回はThinkPadブランドである。また、ローラブルなので、本体背面側の画面も活用できる。
この“伸びるThinkPad”のアイディアは、日本にあるLenovoの大和研究所で生まれた。その背景には、塚本氏がPCに対して長年抱いていた“強い不満”があったという。「PCは閉じたら終わりで、何もできなくなる。ここが大きな不満だった」と塚本氏は語る。たしかに、スマートフォンならば使っていなくても通知を受け取るなどのことができるが、現在までのPCはそうはなっていない。
「閉じていても使えるPCを作りたい」という塚本氏の願いに、「AI」という力強いテクノロジーがマッチした。AIの時代には、画面やキーボードを使わず音声でPCを操作することができる。つまり「閉じたままでも使えるPC」が実現できるのだ。塚本氏はこの世界を“Always On AI(常時稼働AI)”と呼んでいる。
そのため、上部へのロール、背面ディスプレイという設計となった。背面ディスプレイには、好きなアプリを配置してパーソナライズに使うこともできるし、翻訳サービスを配置すれば、違う言語を話す者どうしが翻訳文を見ながら会話できる。
もう一つ重要な要素が、前回のThinkBookではなく「ThinkPadブランド」を冠して作ることだったという。ThinkPadは長年にわたって生産性と堅牢性を重視してきたブランドであり、そのブランドポリシーを裏切るわけにはいかない。そこで、タッチ機能を持つ3Dのゴリラガラス(Corning Gorilla Glass Victus 2)でコーティングした。PCのエッジは、上下にロールさせるためにタッチをする部分だが、閉じた画面を開くときに傷つけないかが心配になる。そこで、閉じた画面を軽くノックすると画面が少し広がり、キーボード面と段差をつけることで開けやすくする工夫も施されている。








