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再生可能エネルギーの“地産地消”目指す、NTTドコビジはIOWN APNの接続を計画

国内初、風力発電所直結の“生グリーン電力”データセンター 豊田通商Gが北海道・稚内で

2026年01月15日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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高い再エネポテンシャルを持つ道北地域に「電力需要」を生み出す

 ユーラスエナジーは、豊田通商の100%子会社である、国内最大規模の再エネ発電事業者だ。日本をはじめ16カ国で再エネ事業を展開しており、現在操業中の風力/太陽光/バイオマス発電の総連系容量は5112MW(5.1GW)に及ぶ。

 ユーラスエナジー社長の諏訪部氏は、風況の良い(風力発電に適した風環境である)北海道の中でも、特に道北地域は風が強く、なだらかな土地があり、大型風車の輸送が容易でコストが抑えられるなど「高い発電量、風力発電の導入ポテンシャルを持っている」と説明する。実際、同社はすでに道北地域(宗谷総合振興局管内)において、稚内市を中心に10件/連系容量525.5MWのプロジェクトを展開している。今後計画している風力発電所も合わせると、その連系容量は最大1800MW(1.8GW)に達する。

北海道の道北地域は大きな再エネポテンシャルを持つ地域

 このように高い再エネポテンシャルを持つ道北地域だが、その一方で「地域の電力需要が少ない」「十分な送電網が整備されていない(=大都市圏に送電できない)」という課題も抱えており、このままでは風力資源のポテンシャルを生かし切れない。そこで、大規模な電力需要が見込まれるデータセンター事業をスタートさせて、再エネ電力の“地産地消”を図るのが、今回の目的だ。

需要がなければ発電はできないため、データセンターを開設して“再エネ電力の地産地消”を図る

 豊田通商の水川氏は、今回の第1号データセンターを皮切りに、道北地域においてデータセンターの拡張を進める計画を明らかにした。2030年ごろをめどに受電容量10~20MW規模のデータセンター構築を目指すほか、将来的には100MW以上の大規模データセンター集積エリアと風力発電の一体開発を視野に入れたいと説明した。

豊田通商とユーラスエナジーによる今後のグリーンデータセンター構想

石狩、千歳、苫小牧、そして稚内をAPN展開のハブに ―NTTドコビジ

 NTTドコモビジネスの松林氏は、「NTTグループ全体として、今回のプロジェクトに参画していきたいと考えている」と切り出したうえで、同社が展開する企業向けオール光ネットワークサービス「docomo business APN Plus」を稚内にも展開していく計画であることを明らかにした。

 政府において議論が進んでいる「ワット・ビット連携」は、電源地の近くにデータセンターを移動させて“電力の地産地消”を促すことで、新たな送電網の敷設や維持に大きなコストをかけず、高度なAI処理を実現するという考え方だ。それを実現するうえで重要なのが、データセンターが配置される電源地域とサービスの需要地である大都市圏という遠隔地間を、低遅延/大容量でつなぐオール光ネットワーク(APN)である。

「ワット・ビット連携」の実現には、遠隔地間を低遅延/大容量でつなぐAPNが不可欠

 docomo business APN Plusは、すでに全国の主要都市や主要データセンターの間を低遅延/広帯域ネットワークで接続し始めている。松林氏は、北海道においては、これからデータセンターの集積エリアになると見込まれる4つのエリア(石狩、千歳、苫小牧、稚内)への展開を、NTT東日本やNTT-MEとも連携しながら進めていく予定だと説明した。

北海道内のデータセンター集積地になる4エリア(石狩、千歳、苫小牧、稚内)を軸に、APN Plusの展開を進めていく

 また、発表会であいさつに立った稚内市長の工藤氏は、稚内市はGXデータセンターの集積地に適した「3つの優位性」があると強調した。道央地域と比べて年間平均気温が約3℃低い「冷涼な気候」、震度4以上の地震が過去85年間観測されていない「広大な土地と安定した地盤」、そして風力発電を基盤とした「豊かな再エネ資源」の3つだ。今後、こうした優位性をアピールしながらデータセンター誘致に取り組んでいきたいと述べた。

 「今回の事業だけで、将来の街(稚内)がどうなるというのは難しい。ただし、われわれの街の歴史を考えると、これまでは一次産業が中心で、歴史的な産業構造の転換にも追いつかないまま今日に来ている。それが、まさにいま、再生可能エネルギーを通じて、この街が次のステップに脱皮できる契機が来ているのではないか。次の時代にこの街が変わっていける足がかりになる事業のひとつだと考え、大いに期待している」(工藤氏)

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