このページの本文へ

世界最大テックイベント「CES 2026」現地レポート 第35回

CES 2026「Eureka Park」展示より

えっ、変形しちゃうの!? 韓国発・VRディスプレー内蔵ヘッドフォンがおもしろい

2026年01月11日 14時45分更新

文● 貝塚/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

韓国Geeks Loftの「Perisphere」

普通のヘッドフォンかと思ったら、変形するのか!

 ヘッドフォンでもあり、VRディスプレーでもある。そしてVRディスプレーであり、ヘッドフォンでもある。

 韓国Geeks Loftが開発中の「Perisphere」は、そんなユニークな特徴を持っています。

 どういうことかというと、ヘッドフォンのヘッドバンド部分に、VRヘッドマウントディスプレーが重なるようにして収納されているのです。一見すると普通の、やや無骨な印象のヘッドフォンなのですが、ヘッドバンド部分を「カシャっ」と前に倒すと、VRヘッドマウントディスプレー付きのヘッドフォンとして使える。そういう製品です。

ヘッドバンド部を「カシャっ!」と前に倒すと、VRディスプレーとして使えるように

 さらに付け加えると、双方の機能に妥協がないという点も、この製品のユニークなところです。

 一概には言えませんが、こうした「あれもでき、これもできる」タイプの製品って、傾向として「帯に短し、襷に長し」になってしまうことがあると思うのです。

 単一の機能を持った製品の能力が100%だとした時に、各機能が60〜80%くらいの性能になってしまうというか。「十徳ナイフのナイフ、切れ味は悪くないが、普通のナイフの方が使いやすい」みたいな。

 しかしこのPerisphereは、アクティブノイズキャンセリング機能や、ステレオ音源を9.1chのサラウンドに変換する空間オーディオ機能など、最近のヘッドフォンに求められる機能を抜かりなく搭載しています。再生可能帯域も20〜20000Hzと広い。

 ディスプレー機能としては、1920×1080ドットのディスプレーを2枚搭載しており、2D表示と3D表示を切り替えることが可能だとしています。しかも、ステレオカメラを内蔵していて、3D動画を撮影する機能もついている。

 「十徳ナイフではある。しかし、そのナイフは普通のナイフと同じように使いやすく、切れ味も劣らない。ハサミも簡易的なものでなく、本格的。しかも、業務で使えるレベルのケーブルストリッパーにもなっている」みたいな状態ですね。

ローカルAIを搭載したNAS

Zettlab AI NAS

 Geeks Loftも出店したCES 2026の「Eureka Park」は、毎年、世界中のスタートアップ企業や大手企業のR&D部門が集まり、開発中の最先端技術やコンセプトモデル、新サービス・新製品を展示することが恒例。

 まだ市場に出ていない革新的なアイデアやプロトタイプを間近で体験できるため、業界関係者だけでなく一般の来場者、さらに投資家層にとっても、新しい技術の息吹を感じられる貴重な場となっています。

 ちなみにCESでは、特に優れた出展製品やサービスには「Best of Innovation Award」が贈られます。そのうち「コンピュータ周辺機器・アクセサリー部門」で受賞した、深セン・Zettlab Innovation TechnologyのAI搭載NAS「Zettlab AI NAS」も展示されていました。

 このNASはローカルAIを内蔵しており、保存したファイルを解析して自動でカテゴリー分けしてくれるほか、自然言語検索にも対応しています。

 たとえば「北海道旅行のときに食べた海鮮丼の写真を取り出したい」と思った場合、従来なら「えーっと、北海道に行ったのは2025年7月だから……このフォルダかな? いや、このフォルダは食べ物の写真じゃないな……」などと探す必要がありました。しかしZettlab AI NASなら、「海鮮丼の写真」と入力するだけで、目的のファイルを推定して表示してくれます。

既存技術の融合が新規性を生む

 ヘッドフォン、VR、NAS、AI──それぞれは、どれも目新しい単体技術ではないかもしれません。しかし、それらを巧みに融合させることで、ユーザーの体験が大きく向上する可能性が生まれる。テクノロジーの面白さは、まさにここにあるのかもしれません。

 「新しい何か」は、「既存の何か」の中に潜んでいる。CESのEureka Parkは、それを再認識させてくれる場でもあります。

■関連サイト

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII倶楽部

注目ニュース

  • 角川アスキー総合研究所

プレミアム実機レビュー

ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン