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石川温のPCスマホニュース解説 第264回

KDDI×ローソンが挑む“ニュータウン再生” 住民は不安も、採算に自信

2025年12月16日 07時00分更新

文● 石川温

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トリプルWinな関係性に

 ローソンがハッピー・ローソンタウンを作るなかで、KDDIに協力を仰いだのは、人口が減少していく街を再び活性化させるにはテクノロジーの力が不可欠という点に尽きる。

 例えば、困りごとの話を聞いてもらえる相談サービスである「Pontaよろず相談所」などは、オンラインを使うことで、何も現場で接客する人がいらなくなる。

 オンライン接客を増やしていくことで例えば、一人のオペレーターが全国のコンビニで接客するということが可能になる。また、身体の不自由な人であっても、オンラインであれば接客業に携われる。

 また、日本国内だけなく、海外に在住している人がオンライン接客すれば、24時間の対応も難なくこなせる。

 KDDIでは高輪にある新社屋内でローソンを出店し、ロボットによる在庫の補充などを行っている。レジはセルフ、補充はロボットとなることで、ますます「コストのかからないコンビニ」を維持していけるようになるというわけだ。

 KDDIにとっても、全国に1000カ所のドローンポートを設置しようと思えば、当然のことながら電源が来ている場所の確保が重要になる。新たに土地を確保するよりも、「ローソンの屋上」という手っ取り早い場所を得られるというのは大きなメリットだ。

 ニュータウンとして再び活性化したい池田市伏見台、コンビニの新たな姿を目指すローソン、テクノロジーを活用する場を求めているKDDI。今回の包括提携協定は、3者にとって、Win-Win-Winの関係性と言えそうだ。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

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