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石川温のPCスマホニュース解説 第262回

ソフトバンクとKDDIが“空の救助網” 雪山遭難、ドローンで発見

2025年12月04日 07時00分更新

文● 石川温

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スマホを持っていない人向けの仕組みも

 ドローンを使った遭難者の捜索システムでは「スマートフォンを持っていない人向けの仕組み」も開発されている。

 ドローンにマイクとスピーカーを搭載し、遭難者に直接、話しかけ、声を聞き取るというものだ。

 ただ、ドローンは回転翼によって相当な騒音を発生させる。そこで、ドローン自体は100m近く上昇させる一方、昇降装置でマイクとスピーカーを最大80m降下させる仕組みをつくった。これにより、ドローンとマイク、スピーカーとの距離が離れるため、騒音の影響を受けにくくなり、会話が成立するというわけだ。

 藤井氏は「男性より女性の声のほうが伝わりやすいようだ。そのため、AIによって男性がしゃべっても女性の声に変換できるようにした」という。

KDDI、ドローン×Starlinkで通信可能に

 ドローンの活用はソフトバンクだけでなく、KDDIも別会社を作って積極的に取り組んでいる。

 現在、KDDIはスマートフォンとStarlinkが直接通信できる「au Starlink Direct」というサービスを提供している。関係者によれば近いうちに、スマホと同じく、ドローンもStarlinkと直接、通信ができるようになるという。

 ソフトバンクと科学技術大学の遭難者を捜し出すドローンは通信をするために地上からWi-Fiの電波を飛ばす必要があったが、衛星とドローンが直接、通信できれば、そうしたシステムも不要になりそうだ。

 ドローンと衛星が直接通信できるようになると、山での遭難から助かる人も増えていくかもしれない。

   

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

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