生命はどこで生まれた? どこからやってきた?
私たち人間を含む“生命”は、どこで、どのようにして生まれたのか? あるいは、どこからやってきたのか?
NASAの小惑星探査計画「OSIRIS-REx」が地球にもたらした砂粒は、生命の起源研究に大きな転換点をもたらすものかもしれない。
東北大学、海洋研究開発機構、北海道大学、九州大学、帝京大学、堀場製作所グループらによる研究グループは、炭素質小惑星「ベヌー」から採取された試料から、RNAを構成するリボースに加え、生命の代謝システムにとって重要なグルコースを含む6種類の糖を検出したと発表した。
これは、地球環境に触れていない“純粋な”小惑星試料から、核酸の構成分子である糖が初めて確認されたという重要な成果だ。
なぜ「糖」の存在が重大なのか
今回の発表を正しく理解するには、まず背景を押さえる必要がある。
生命をつくる分子には、タンパク質の材料となるアミノ酸、DNAやRNAを形づくる核酸塩基や糖、そしてそれらをつなぐリン酸などがある。
これらは、生き物がどのように遺伝情報を持ち、成長し、代謝していくかを支える“生命の基本的な部品”のようなものだ。









