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田口和裕の「ChatGPTの使い方!」 第42回

ChatGPT、Gemini、Claude、Grokの違いを徹底解説!仕事で役立つ最強の“AI使い分け術”【2025年12月最新版】

2025年12月03日 13時00分更新

文● 田口和裕

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xAI「Grok 4.1」──会話・エンタメに強いキャラの立ったモデル

 Grok 4.1は、技術的な堅牢性よりも会話体験の自然さやユニークなキャラクター性に重きを置いている。応答速度も大きく改善され、雑談の軽快さは他モデルと一線を画す。

感情知能と創作能力の突出

 最大の特徴は、感情知能(Emotional Intelligence)の高さだ。EQ-Bench3では1,586 Eloを記録し、全AIモデル中トップとなった。これは前世代Grok 4の1,206から380ポイントの大幅向上であり、ユーザーの感情的なニュアンスを理解し、共感的な応答をする能力が客観的にも実証された形だ。たとえば「悲しい」という表現に対し、機械的な定型文ではなく、文脈を汲み取った対話的な応答を返す。

 創作能力も際立っている。Creative Writing v3ベンチマークでは1,722 Eloを記録し、前世代から約600ポイント向上した。物語の構成やキャラクターの一貫性維持に優れており、映画・音楽・ゲームなどエンタメ系の文脈把握を得意とする。

ハルシネーションの大幅削減とリアルタイム分析

 実用面での最大の進化は、ハルシネーション(事実誤認)の抑制だ。事実確認が必要なタスクにおいて、誤答率は12.09% → 4.22%へ約65%削減された(FActScoreベンチマークでも同様に改善)。この信頼性の向上は、Grokの強みである「X(旧Twitter)のリアルタイム検索」で特に威力を発揮する。

 実際にGrok 4.1を使用し、本記事のテーマである「最新AIモデルの評価」について、X上のエンジニアたちの投稿を分析させた結果が以下だ。

X上の投稿を分析させた画面。「絶対的な勝者はおらず、使い分けが推奨される」という結論が、実際のデータからも裏付けられた。

 このように、最新のトレンドや膨大な生の声を正確に拾い上げ、要約する能力は高い。11月前半のブラインドテストで約65%のユーザーが前バージョンより好むと回答したのも、こうした基礎体力の向上が要因だろう。

自由度と制約のバランス

 Grokは全体的にガードレールが緩めの設計で、他サービスでは回答を拒否されがちなトピックにも比較的柔軟に応答する。この自由度の高さは独自の強みだが、一方でロジックが厳密な作業やコーディング(Claude Opus 4.5やGemini 3 Proが優位な領域)には及ばない。

 なお、画像生成機能はサイドバーの「Imagine」メニューとして実装されている。Grok-2のようにチャットの流れで生成するのではなく、専用モードとして独立した形だが、同一インターフェース内でワンクリックで切り替えられるためアクセスは良好だ。テキストの会話と画像の生成履歴を分けて管理できるため、むしろ実用性は高まったと言える。コンテキストウィンドウは最大256,000トークン(Fastモードで200万)まで拡張されており、長文対話や継続的な創作作業には適している。

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