先行導入企業ZAICOは「データに基づく『組織・チームの行動変容』が最大の成果」と評価
データ基盤×AIで営業/マーケの意思決定支援 primeNumberが「primeBusinessAgent」を発表
2025年11月27日 12時35分更新
primeBusinessAgentを先行導入、得られた最大の成果は「意識変容」
基調講演にゲスト登壇した、クラウド在庫管理サービス「zaico」を開発/提供するスタートアップのZAICOでは、primeBusinessAgentの先行導入(クローズドベータプログラム)に参加した。
ZAICO 代表取締役の田村壽英氏は、さまざまな業種の顧客を抱え、多様なユースケースに対応しなければならない同社では、「担当者のコツや勘に頼る」属人化の課題があり、「人と時間を正しく使えているのかが不安だった」と振り返る。これまでもデータドリブンなセールス活動への挑戦を重ねてきたが、「限りある社内リソースで、自社で頑張ってやることに限界を感じていた」という。
そこで、primeNumberのプロフェッショナルサービスと、primeBusinessAgentを活用することにした。最初に導入したのは、カスタマーサクセス担当だ。同社のビジネスモデルで重要な指標となる「解約率」と「アップセル機会」に着目してのことだという。
primeNumberの伴走とともに、「可視化」「把握」「タッチ」の3ステップで、プロアクティブ(能動的)なカスタマーサクセス活動への変革を進めた。たとえばステップ2の「把握」は、データを可視化して並べることで、「特定の行動を取った企業は優良顧客であり、アップセルの可能性が高い」、あるいは「離脱の可能性が高い」といった傾向を把握する段階だが、primeNumberの専門的な視点が入ったことで、「そうした特徴を適切に定義できた」と評価する。
primeNumberによる約半年間の伴走を経て、「解約率の低減」「アップセルの向上」などさまざまな成果が得られた。その中で、田村氏が「最大の成果」と評価したのが「組織・チームの行動変容」だ。
以前は、勘やコツに頼った属人的なセールス活動が中心となっており、特に経験の浅いジュニアメンバーは、問い合わせやクレームがあれば動くという「リアクティブ(受動的)」な対応が中心だった。
それが現在では、朝の社内ミーティングで全員がダッシュボードを確認し、データに基づいて「このお客様には解約の兆しがある」「このお客様にはアップセルの機会がある」と判断し、優先順位を付けて行動できるようになったという。これは田村氏は「“レーダー”を手に入れたよう」だと表現する。
このように、ジュニアメンバーもシニアメンバーも平準化されたセールス活動を実践できるシステムが手に入ったことが、最大の成果だったと語った。
田村氏は、今回の経験から「お得」「水先案内人が重要」という、2つの学びを共有した。まず「お得」とは、スタートアップの同社は人員が少ないため、データドリブンで組織を動かすことは非常に費用対効果が高く、お得であるという意味だ。「人の稼働率が50%か、100%かによって、成果はまったく違ってくる」(田村氏)。2つめの「水先案内人が重要」は、自分たちですべてやろうとしてもなかなか前進せず「半年くらい軽く飛んでしまう」ため、primeNumberのようなプロフェッショナルに伴走してもらうことが重要、という意味だ。
なおZAICOでは、カスタマーサクセスにおける成功体験をふまえて、次はセールス領域でprimeBusinessAgentのPOCを拡大していく方針だという。
基調講演の締めくくりとして、primeNumberの田邊氏は、「これまでの10年のように、データをエンジニアリングするという立場に変わりはない」としながらも、AIの時代は「お客様に伴走し、自らを進化させながらデータの先導者となるために価値を提供していく」と述べ、primeNumberが新たな段階に入ったことを強調した。












