G-Master Spear Mini B850Aをレビュー
Radeon RX 9060無印の性能はどんなもん? Ryzen 7 9700X搭載小型ゲーミングPCでベンチマーク
2025年10月30日 10時00分更新

サイコム
の「G-Master Spear Mini B850A
」は、置き場所に困らないミニタワー型ゲーミングPCでありながら、自分好みの構成にカスタマイズできる。CPUクーラーは標準の空冷モデルだけでなく水冷モデルまで選択できるなど、幅広いBTOオプションが魅力の逸品だ。
前回は外眼や内部を中心に紹介したが、今回は性能面にフォーカスする。なお、試用機の構成は標準とは異なる。具体的には、メモリーが32GB(16GB×2)、ビデオカードがASRock「Radeon RX 9060 Challenger 8G」(8GB GDDR6)に変更。
また、電源ユニットはSilverStoneの「SST-DA750R-GMA」(750W、80 PLUS GOLD)、PCケースはサイドパネルが強化ガラスの「A3-mATX Black TG」になっており、ARGB発光システム(LEDストリップ1本)を追加している。
ゲーミング性能に大きく影響する変更は、ビデオカードにRadeon RX 9060搭載モデルを採用していること。同GPUは「Radeon RX 9600 XT」の下位にあたるモデルで、コスパを重視している。ちなみに、単体販売はしておらず、採用メーカーもまだ少ない。
ターゲットはフルHD・高画質設定におけるゲーミングだが、タイトルによってはWQHDでも快適に遊べるかもしれない。実際、どのくらいの性能なのか。定番のベンチマークソフトを使ってチェックしていこう。
| G-Master Spear Mini B850A | ||
|---|---|---|
| 標準構成の主なスペック | 試用機の主なスペック | |
| CPU | AMD「Ryzen 7 9700X」(8コア/16スレッド、最大5.5GHz) | |
| CPU クーラー |
Noctua「NH-U12S redux」(空冷、サイドフロー、120mmファン) | |
| マザー ボード |
ASRock「B850M Pro RS WiFi」(AMD B850、Micro-ATX) | |
| メモリー | 16GB(8GB×2)、DDR5-5600<メジャーチップ・JEDEC準拠品> | 32GB(16GB×2)、DDR5-5600<メジャーチップ・JEDEC準拠品> |
| ストレージ | Crucial「T500 CT1000T500SSD8」(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0) | |
| ビデオ カード |
MSI「GeForce RTX 5060 Ti 16G SHADOW 2X OC PLUS」(16GB GDDR7) | ASRock「Radeon RX 9060 Challenger 8G」(8GB GDDR6) |
| 電源 ユニット |
Antec「NeoECO Gold NE750G M」(750W、80 PLUS GOLD) | SilverStone「SST-DA750R-GMA」(750W、80 PLUS GOLD) |
| PCケース | Lian Li「A3-mATX Black」 (Micro-ATX、ミニタワー) |
Lian Li「A3-mATX Black TG」(Micro-ATX、ミニタワー) |
| PCケース ファン |
背面:Noctua「NF-F12 PWM」(120mm) | |
| PCケース オプション |
なし | ARGB発光システム(LEDストリップ1本) |
| OS | Microsoft「Windows 11 Home」 | |
自動チューニングで手軽に性能は上げられるが……
G-Master Spear Mini B850A
の試用機のCPUは、標準構成と同じ「Ryzen 7 9700X」。Zen 5アーキテクチャーを採用した8コア/16スレッドのCPUで、TDPは65Wと前世代の「Ryzen 7 7700X」(105W)から大幅に引き下げられている。それでいながら、最大性能は前世代を上回っており、電力効率を大きく改善したモデルとして注目を集めた。
まずは定番の「CINEBENCH 2024」を使って調べてみよう。このベンチマークソフトは、CGレンダリング速度からCPU性能を測ってくれるというもの。結果は「pts」という単位のスコアーで表示され、この値が高ければ高いほど高性能となる。
テストは全コア/スレッドを使用する「Multi Core」と、1つだけ使用する「Single Core」の2つ。動画エンコードなどのパワフルな作業なら前者、ゲームや一般的な軽い用途なら後者の値が重要になる。
なお、CGレンダリングはマルチスレッド処理に向いた用途となるため、コア/スレッド数が多いほどリニアにスコアが上がる傾向がある。また、それに伴い負荷も上昇し、発熱も大きくなるため、ストレステストとして使われることも多い。
ということで、CINEBENCH 2024の結果がこちらだ。
スコアーはMulti Coreが1142pts、Single Coreが133pts。Multi Coreの値こそ競合のインテル製CPUに及ばないものの、Single Coreは比肩する。ゲーミング用途なら十分だろう。
また、10分ちょっとのMulti Coreテスト中、最大温度は68.8度までしか上昇せず、平均温度は62.5度と低めだった点も◎。Noctua製CPUクーラーの「NH-U12S redux」はよく冷えるモデルだが、CPU自体の電力効率も大きく寄与していると思う。
これだけ余裕があるのなら、オーバークロック(以下、OC)設定でもう少し性能が上げられるのではないか、と考える人もいるだろう。そこで、「AMD Software:Adrenalin Edition」のCPU自動チューニング機能を使い、OC設定を有効化してCINEBENCH 2024を試してみた。
結果はMulti Coreが1222pts、Single Coreが133pts。わずかだがMulti Core性能が向上しており、OC設定の効果はたしかにあった。ただし、CPU温度は最大86.2度まで上昇し、ファンの動作音もかなり大きくなってしまった。
手動で設定を詰めていけば、CPU温度を下げつつ同等の性能を引き出すことは可能だろう。しかし、そこまで頑張ったところで、性能向上は10%にも満たない。趣味として遊びで行なうならいいが、実用性という観点から見れば割が合わないだろう。
そんなわけで、この後のテストは電力効率のいい標準設定で実施している。
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