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石川温のPCスマホニュース解説 第256回

KDDIドローン事業、9年目で軌道に乗る兆し 無人AIポート運用に成功

2025年10月22日 07時00分更新

文● 石川温

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スターリンクで“圏外”でも飛ばせるように

 これまでドローンの通信といえば、Wi-Fi、さらには4Gや5Gなどのセルラー通信しか頭になかった。電波のないところでもドローンを飛ばすことは可能だが、遠隔でどこを飛行しているかなどの確認はできなくなってしまう。そう考えると「KDDIが提供するネットワーク内だけ」がAIドローンの活躍の場と思われていが、まさかここにきてスターリンクが出てくるとは想定外であった。

 スターリンクとの直接通信は当然のことながら、通信速度は遅いため、映像の送信といったことは難しいだろう。しかし、遠隔からの飛行指示や飛行位置の確認などは可能となるため、俄然、飛行範囲が広がるのではないか。もちろん、バッテリーで動くドローンであるため、「電池寿命」で往復できる距離は自ずと限られてくる。しかし、山間部など、これまで「圏外」だったところも飛ばせるとなると、AIドローンの事業的な可能性はさらに広がることだろう。

 9年の時を経て、技術面、法制度、さらにネットワークにおいて、ようやくドローンの実が熟し始めてきたといえそうだ。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

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