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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第125回

グーグル画像生成AI「Nano Banana」超便利に使える“神アプリ” AI開発で続々登場

2025年09月22日 08時00分更新

文● 新清士

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Nano Bananaユーザーによる便利アプリが続々

 グーグルはBuildのトップページで、公式としてアプリのショーケースを示しています。そのなかで、「Gemini 2.5 Flash Image」とタグ付けされているものが、Nano Bananaを使って作成されているアプリです。それらを選択して利用することもできますし、コピーして自分用に改造していくこともできます。

Google AI StudioのBuildのトップページ

 グーグルのエンジニアのpitaruさんが開発した「Banaimate」は、画像を登録すると、6つのテンプレートから、冗談めいたアニメーション画像が生成されるアプリです。「80年代のビデオゲームスタイルで『On my way!』と言っている」というプロンプトに画像を入力したところ、ドット絵風のキャラクターに変換されて道を走っているアニメーションが生成されました。

「Banaimate」の画面。左側が入力画面で、バナナのボタンを押すと、アニメーションが表示され、右側の画面になる

 中国のアーティスト-Zho-さんは、「BananaPod」というアプリを公開しています。フィギュア化、ぬいぐるみ化、ポーズ設定など、40種類ものテンプレートが用意されており、画像を読み込んで項目を選択するだけで、テンプレートを使った結果の画像が出力されます。

「BananaPod」の画面。左の画像を読み込み、フィギュア化を選んで実行した状態

 AIイラスト漫画クリエイターのジロウさんは「キャラクター表情チェンジャー v2.0」を公開しています。このツールでは、元の画像に表情を組み合わせることで、その表情に切り替えることができます。口の開き具合や、目の開き具合なども指定できるため、多様な表情を元の画像の雰囲気を維持したまま作成することができるのです。

「キャラクター表情チェンジャー v2.0」の画面。驚き100%にして、口や目を開いた状態にしたところしっかりとその表情が作られている。

 ここまで複雑なものを作らなくても、簡単な指示で単機能のアプリを作成できます。

 りょーさんが紹介しているのは、カラー画像を白黒線画にするためのプロンプトです。「写真を線画にする塗り絵ジェネレーターをnano bananaを使って作成してください」と指示するだけで、線画化ジェネレーターのアプリが作れます。ドラッグアンドドロップと画像のセーブ機能を追加したりしたのですが、作成にかかったのは約5分でした。

りょーさんのプロンプトを使って筆者も作成してみた結果できた「Coloring Book Creator」。

 ちゃろんさんは、キャラクターのアングルを変えたアプリを開発されていました。

 アプリは公開されていなかったので、プロンプトを推計して同じものを作成してみました。プロンプトは「アップロードされた画像をもとに、上下左右の4つのアングルからの画像を生成するアプリを作成して」としました。やはりセーブ機能がなかったので追加したりしましたが、作成にかかったのはやはり5分程度です。

筆者が作成した「AI Angle Generator」で、画像を生成してみた様子

 こうしたツールは、ちょっとした機能のものでも、これまでは専門知識がなければ作ることができませんでした。しかし、特に単機能のものであれば、AIに指示を出すだけで、自分の求める機能を持つアプリを簡単に作れるのです。

動画の“コマ送りツール”も作ってみた

 最後に筆者が作ったBuildアプリで便利に使っているものをご紹介します。「Video Wheel Scrubber v2」というアプリです。動画を読み込んで再生するアプリなのですが、マウスホイールに連動して1コマずつ進めたり戻したりする機能に、任意の画面をスクリーンショットで撮影する機能をつけてあります。

 これまで動画の1コマ単位での撮影は手軽な環境がなく苦労していたのですが、これにより、確実に最終フレームや途中フレームのスクリーンショットを撮影することができるようになりました。それを使ってまた、動画の開始フレームにしたりすることができるのです。こうしたアプリが以前から欲しかった筆者にとっては、非プログラマーである自分で手軽に作れてしまったことにかなり驚きました。

「Video Wheel Scrubber v2」の画面

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