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年次イベント「DASH 2025」ではおよそ80の新機能を発表、AI/LLM関連機能も大幅強化

Datadogの最新機能、注目すべきはどれ? Datadog Japan社長とIVRy、newmoが語る

2025年08月18日 11時15分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 統合監視/分析プラットフォームを手がけるDatadogが、本拠地を置く米ニューヨークで6月に開催した年次イベント「DASH 2025」は、来場者数やセッション数などで過去最大規模となった。イベント後、DatadogはS&P 500銘柄にも選ばれており、オブザーバビリティ分野を代表するベンダーとしての地位が認められた格好となった。

 テクノロジーに重点を置く企業姿勢を反映し、Datadogは今年のDASHでおよそ80もの新機能を発表している。特に注目される機能はどれか。DASH 2025の会場で、Datadog Japan 社長の正井拓己氏と、Datadogの導入企業であるIVRy(アイブリー)、newmo(ニューモ)に話を聞いた。

Datadog Japan プレジデント&カントリーゼネラルマネージャー 日本法人社長の正井拓己氏

IVRy AIエンジニアの森谷浩幸氏、newmo ソフトウェアエンジニアの岩見影太氏

Datadog Japan正井社長:AIエージェント機能には大きな反響があった

 Datadog Japanの正井氏によると、日本からの参加者で注目が高かったのは、生成AIチャットアシスタント「Bits AI」で提供するAI機能の拡張だ。中でも、AIエージェント機能には大きな反響があったという。Datadogでは「開発」「セキュリティ」「運用」と、3つのユースケースに向けたAIエージェントを発表している。

Datadogの生成AIアシスタント「Bits AI」の画面

 また、昨年のDASH 2024で発表したオンコール機能も、日本で順調に採用が進んでいるという。今年はこのオンコールに「ハンズオフ通知」「AIボイスインタフェース」などの機能が加わった。「オンコールの機能とAIの機能を組み合わせて、いかにお客様の運用の省力化を図っていくか、あるいは障害対応の迅速化を実現していくかは、どのお客様も関心を持っている」と、正井氏は語る。

 正井氏は、ログ管理機能の強化も取り上げた。2年前に発表した「Flex Logs」(Datadog Log Management内の大量ログデータの長期保存)を拡張するものとして、最長7年間アーカイブ保存ができる「Flex Frozon Tier」などを発表している。「日本のお客様では、ログの管理・活用を課題とされているところも多い。課題解決に向けた提案を積極的にしていきたい」(正井氏)。

新機能「Archive Search」(プレビュー)を使えば、アーカイブ化された古いログにも直接クエリができる(画像は公式ブログ記事より

 Datadogの事業は「インフラ」「ログ」「APM(アプリケーションパフォーマンス管理)」という3つの柱で構成される。そもそも創業時に目指したのが「運用チームが共通で使えるモニタリングプラットフォームを構築すること」であり、現在でも「まずはインフラから導入をスタートするお客様が多い」という。

 最初は1つの製品から、あるいは1つのシステム/アプリケーションの管理/運用から使い始め、それを複数の製品やシステム/アプリケーションに拡大していく導入パターンが一般的だ。現在、グローバルでは複数のDatadog製品を導入している顧客が83%を占めており、「4製品以上」が50%、「6製品以上」が26%、「8製品以上」でも12%となっている。正井氏は、既存の顧客でも「まだまだDatadog製品を導入いただく余地がある」と分析する。

Datadog日本法人設立から6年目、「日本市場は新しいステージへ」

 そうした市場戦略、そして製品ポートフォリオ拡大を受けて、Datadogのビジネスは成長を続けている。新規顧客の拡大、既存顧客における導入製品の増加や監視対象システムの拡大、その両面での成長が見られるという。日本法人も拡大しており、サブスクリプション売上は3年前の2倍、従業員数も3年前の2倍になった。日本市場の顧客数は2000社に達している。

 人材面でも、製品ポートフォリオの急速な拡大に対応している。社員向けの研修制度を充実させており、新入社員はもちろんオンボーディング後の社員にも研修プログラムを用意している。営業担当者は「全員が製品デモの認定を受けて」おり、正井氏自身も認定取得者だという。こうした面から、Datadogは“技術”が売り物の企業であることが伝わってくる。DASHの基調講演においても、CEOや経営陣は抽象的な事業ビジョンを多くは語らず、ひたすら技術者向けに具体的な技術を話す。ほかのITベンダーイベントとは一線を画すると言えるだろう。

 組織面では、新たな市場戦略に沿った動きもある。「今まできちんと対応できていなかったミッドマーケット(中堅企業市場)にしっかりフォーカスしていく」狙いから、2024年6月にミッドマーケット組織を組成した。なお、従来のエンタープライズ市場においては「金融、製造のお客様での売上が非常に伸びている」と語る。

 日本法人設立から6年目を迎え、正井氏は「日本でのビジネスが新たなステージに進む時期」と位置付ける。

 今後の戦略の1つが、パートナーエコシステムの強化だ。3月には、NTTデータとの提携を発表した。地域展開も加速しており、4月に大阪拠点開設を発表している。「西日本地域にも核となるお客様は多い」と正井氏は説明した。

 製品面製品面では、従来のオブザーバビリティ領域を超えた展開を目指す。「開発者向けのCI/CD関連、DevOps関連の製品、そしてクラウドセキュリティ」などに注力していく方針だ。

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