このページの本文へ

MSIのTitan 18 HX AI A2XWをレビュー、CPUだけで最大250Wに衝撃

こんなゲーミングPCを気楽に買える人生が欲しかった Core Ultra 9 285HX&RTX 5090 LTで約100万円のロマンに浸る

2025年07月25日 10時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトライッペイ/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

Arrow Lake-HXの最高峰とRTX Blackwellの最高峰

 ここからはTitan 18 HXの中身に注目していく。Core Ultra 9 285HXは定格では最大ブースト5.5GHz、“典型的な実装における”MTP(最大ターボパワー、PL2)は160Wだ。デスクトップPC向けの「Core Ultra 7 265」のMTPが182Wであることを考慮すると、素の状態でもかなりパワー重視のCPUであることがわかる。

 しかし、TITAN 18 HXの場合、典型的なノートPCではないため、大型ボディーに合わせPL2は220Wに設定されている(「HWiNFO Pro」にて確認)。無論、220Wをずっと維持することは無理なのだが、どこまで高く維持できるのか? 限界に到達したらベースパワー(PL1)の55Wまで落ちてしまうのか? といったことはのちほど検証することにしよう。

CPUの情報:「CPU-Z」にて取得。Pコア8基+Eコア16基という構成はデスクトップPC向けのフラッグシップモデルであるCore Ultra 9 285Kと同じ。ただし、ノートPC向けのArrow Lake-HXなので省電力になっている

インテルの情報によれば、Core Ultra 9 285HXのプロセッサーのベースパワー(PL1)は55W、最大ターボパワー(PL2)は160W。ただし、これらは典型的な実装における値のため、Titan 18 HXのようなエンスージアスト向け製品ではこの値を超えたチューニングも許される

 そして、GPUはRTX 5090 LT。このGPUは既に別製品でレビューしている通り、デスクトップPC向けのRTX 5080を少しスリムにして、かわりにVRAMを24GBに大増量したもの。24GBのVRAMは3840×2400ドットの等倍表示でゲームを楽しみたい人向けというよりも、ローカル環境で重いAIを動かしたい人向けの装備である。

 ノートPCはゲームだとVRAMを使い切る前に熱や電力制限で頭打ちになりやすいが、AIだとVRAMが足りなくなればそれで終わり(より軽いタスクに移行せざるを得ない)だからだ。Titan 18 HXにおけるRTX 5090 LTのTGP(Total Graphics Power)は175Wに設定されているので、ノートPCとしては文句なく最強だ。しかし、デスクトップPC向けのRTX 5090には遠く及ばない点だけは留意しておきたい。

GPUの情報:「GPU-Z」で取得。ノートPC向けのRTX 5090 LTはデスクトップPC向けのRTX 5080をベースに、VRAMを24GBに増量したモデルである

GPUのパワー設定:Titan 18 HXに搭載されたRTX 5090 LTのTGP設定を「NVIDIAコントロールパネル」で確認したところ、175Wであった。GPUが使える電力の“予算”はデスクトップPC向けのRTX 5060 Ti(180W)よりやや低いことがわかる

 最後にSSDにも触れておこう。Titan 18 HXのストレージ容量は6TBだが、これは2TBのNVMe SSD(すべてPCI Express 4.0接続)を3枚、RAID 0ボリュームでまとめたものである。MSIによれば、このRAID 0ボリュームを構成するSSDのうち1基は、PCI Express 5.0対応のスロットに入っているとのことだ。

SSDの情報:「CrystalDiskInfo」で取得。テスト機に使われていたのはSamsung製のPCI Express 4.0接続M.2 SSDだった。この画面では普通のドライブが3基あるように見えるが、ドライブレターの欄が空欄であることから、RAID 0ボリュームであると推測できる

SSDの速度:「CrystalDiskMark」で読み書き速度を計測してみた。64GiB×3のテストではシーケンシャルリードが15.3GB/s、シーケンシャルライトが9.2GB/sに到達。シーケンシャルライトはPCI Express 5.0接続SSDの最速モデルに負けているが、6TB(利用可能な領域は約5.6TB)と容量が大きいことのほうが重要なのだ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

  • 角川アスキー総合研究所
ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

デジタル用語辞典