このページの本文へ

荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第929回

2025年も半分が終わったので、この半年で撮影した猫写真を一挙大放出祭りの巻

2025年07月17日 12時00分更新

文● 荻窪 圭/猫写真家 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
猫

物陰から獲物(というかオモチャ)に向かってダッシュする瞬間をゲット。シャッタースピードを1/1000秒にセットして捉えた一瞬だ。2025年4月 ニコン Z5II

 この連載で頻繁に登場する「保護猫シェルターqueue」である。queueはクーと読む。オープンしたのは2018年10月で、たまたま近くを通りがかった私が訪れたのがその数ヵ月後。以来、常連さんになってしまって、新しいカメラやスマホを手にするたびに必ず猫を撮りに行ってしまうのである。

 猫カフェではなく、「オープン型保護猫シェルター」、つまり保護を必要とする猫を受け入れ、その場をオープンにすることで、家で飼いたいという人がいれば里親になってもらえるし、猫好きの人は猫と戯れに気軽に顔を出すことで、入場料というカタチで運営に協力できるし、猫たちも人に馴れることができる、得がたい空間なのだ。

猫

保護猫シェルターqueueの様子を広角で。この天井に近い猫ベッドはのんびりくつろぎたい猫の場所になっている。2025年4月 キヤノン Powershot V1

 そういう場所なので子猫から大人の猫までいるし、良い里親が見つかれば卒業しちゃうし、人なつこい猫からまったく人に馴れない猫まで、さまざまな性格のさまざまな猫たちが暮らしているので、行くたびに新鮮なのである。

 カメラの猫撮影の性能を見るにはもってこいだし、猫撮影の腕を鍛える場所としても最高、というわけでqueueで撮ったネコ写真が大量にあるので、今回は2025年も半分の終わってしまった記念(はやすぎる!)、この半年で撮ったqueueの猫たちをお蔵出しである。

 ここにいるのは保護された猫だけなので、たいていはミックスなのだが、2月に遊びにいったとき出迎えてくれたのがなんと「ベンガル」。清く正しいベンガル種らしい。

猫

保護猫シェルターでは珍しい純血種。人なつこくて凛々しいだけあり、数ヶ月で里親が決まったのだった。2025年2月 ソニー α7C II

 尋ねると、この猫を飼っていた方が亡くなってしまい、残された親族も猫は飼えないってことで、保護されたんだそうな。このベンガル、すごく人なつこいので、里親候補がいっぱい出そうだなと思っていたのだが、案の定、数ヵ月で希望者が現れ、トライアル期間ののちに引き取られていったのだった。よろこばしいことである。中にはなかなか人に馴れない猫もいるからね。

 カメラを向けると一回だけシャアッと威嚇するので思わず1枚。

猫

カメラを向けるとまず「シャアッ」と威嚇する猫。警戒心が強いのだ。保護されるまでいろいろと苦労したのだろう。2025年3月 OMDS OM SYSTEM OM-3

 不用意に近づいてはいけないのだ。でも、撫でられるのは好きなようで、このように「孫の手」でぼりぼりと掻いてやると、気持ちよさそうにされるがままになるのである。

猫

人は怖いけど撫でられるのは好きなのである。なので、この猫専用の孫の手が用意されている。こういう猫は愛おしい。2025年6月 富士フイルム X-E5

 逆に人なつこい猫は平気でおなかを見せてくれたり、気がつくとすぐ横にちょこんと座ってたりしてよい。このように近距離で片手でさっと撮るにはコンパクトデジカメやスマートフォンが似合う。

猫

人なつこい猫はおなかを見せて撫でられるのを待ってたりするのである。こういう距離感はコンパクトカメラがいい。2025年4月 キヤノン Powershot V1

猫

座ってたらいきなり真横にやってきたキジシロ。至近距離ではスマホが役立つ。猫撮りスマホとしてはXiaomi 15 Ultraが最強かも。2025年5月 Xiaomi 15 Ultra

 高速AFと高速連写がウリのカメラを手にすると、動きの瞬間を撮りたくなる。逆にいえば、AF性能をウリにしているカメラの性能チェックにはもってこいだ。実際、メーカーによる差はある。

 冒頭写真はNikon Z5II。高速AF+高速連写のチェックだと、オモチャで遊んでる猫を狙って撮った1枚。オモチャを追いかけてダッシュする瞬間だ。

 こちらは左手で遊びながら右手で撮った1枚だ。

猫

オモチャに向かってさあ飛ぶぞ、という瞬間のハチワレ。2025年4月 ニコン Z5II

 たまに、めんどくさそうな顔をされるけど、それはそれでしょうがないのである。猫だから。

猫

遊んでるとこを撮らせて、とオモチャをひらひらさせるも「めんどくさい」って顔をされたのだった。そういうこともある。2025年6月 富士フイルム X-E5

 ヤバいのは、他の猫に攻撃しちゃう要注意猫。猫にもいろいろあるわけで、新しい猫と折り合いが悪いやつもいる。ほかの猫にちょっかいを出すのである。

猫

なんか様子がへんだぞと、iPhoneで取った1枚。このあと尻尾にちょっかいを出し、チャトラに怒られたのだった。2025年4月 アップル iPhone 16 Pro

 相手が怒ってすごすごと引き下がって終わることもあるけれども、相手が強気だと喧嘩がはじまるのだ。これなんか、黒の子猫が完全に臨戦態勢にはいってしまった。

猫

じりじりとうなりながら近づくハチワレを迎え撃とうとする黒の子猫。このあとハチワレがとびかかって大騒動になったのだった。2025年5月 キヤノン EOS 50 V

 このときは大喧嘩になって大騒ぎ。スタッフの人に捕まえられて興奮がおさまるまでケージに一時隔離されるはめになったのだった。ちなみにこの黒猫も無事里親が見つかって何よりである。

 保護される猫って本当に性格も年齢もさまざまなので、運営している人も大変だと思う。でも里親になりたい人、猫を飼いたい人にとってみれば、何度も足を運んで一緒に暮らしたい猫をじっくり選べるという良い場所なのである。

■Amazon.co.jpで購入
 

筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII倶楽部

注目ニュース

  • 角川アスキー総合研究所

プレミアム実機レビュー

ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン