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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第113回

AI丸投げのゲーム開発が超楽しい 誰もがプログラムを作る時代は確実に来る

2025年06月30日 07時00分更新

文● 新清士

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別ジャンルのゲームも試しに作ってみる

 ただし、モックがそれなりに動くようには2時間あまりで動いたのですが、細かなバグが生まれます。それをつぶしたり、修正指示をしてもうまくいかないことも多く、やり直すのに3時間はかかっており、全体でかかった時間は5時間。バグ対応の難しさを感じました。なんせ筆者は作成されたコードを読んでもほとんど理解しておらず、Ren'Pyのスクリプトもまったく理解していません。どうやってClaude Codeにうまく修正させるか、できない場合はClaudeにも意見を求めて、まったく別の視点で修正をすることを繰り返して、何とか目指していたものができたという感じです。

 もちろん、これで面白いゲームができたとはとても言えません。しかし、ゲームの最初のプロトタイプの開発のハードルは劇的に下がったと言えます。パラメーターが絡むようなアドベンチャーゲームを、非プログラマーが個人が短時間で開発することは相当大変です。ゲームそのものの面白さに到達する前に、こうした基礎環境を整えるだけで、力尽きることが多かったのではないかと思います。

 それが、作りたいものを仕様書にまとめて、AIに伝えるだけで入り口に立つことができるようになった。ゲームを作ってみたいという人にとってはかなり大きな出来事です。

 その後、別ジャンルのゲーム開発も試してみようと、インベーダーゲームとギャラクシアンを混ぜたようなゲームの開発もしてみました。結果的に、Claude Codeを使って、5時間ほどで開発することができました。筆者のような非プログラマが、コードを書くことなく、こうした完結するゲームを短時間で作れてしまうということは、今までとゲームの作り方が大きく変わることを意味しています。

▲筆者がClaude Codeで作成した2Dシューティング「SPACE SHOOTER」。ボム、コンボ、多様な敵、ボス戦などの機能があり全4面、それなりに面白い。かなり作戦を練らないとクリアは結構難しい。ゲームは以下で公開中

https://shooting-game-olive-two.vercel.app/

 いまのClaude Codeはまだ、Linuxを前提としたコマンドラインでの命令なので、一般人にとっては使いづらい状況です。今後、インターフェースがGUIに寄ったサービスが出てくることは容易に予想がつきます。それから、UnityやUnreal Engineなどの3Dを使ったものを開発するとなるとハードルは一気に上がります。Claudeによると、同じようなゲームが2Dならば1日でできるという予測が、3Dにした瞬間に1週間以上という予測になったりしました。しかし、今後、こうした分野にも進出していくことは、ほぼ間違いないと予想されます。

 実際、6月25日に、グーグルは「Gemini CLI」を投入してきました。Claude Codeによく似たUIを持っていますが、Windows環境であってもインストールが簡単で、設定にかかるのは30秒程度です。そのうえ1日1000リクエストまで無料で使えます。間違いなく、他の企業も続き、競争は激しくなると予想でき、これまでプログラムを書かなかった人が触ることで、多様なアプリが作られるようになるでしょう。

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