Radeon RX 9060 XTのビデオメモリー8GB版と16GB版はどっちを選ぶべき?

文●藤田 忠 編集●北村/ASCII

提供: ASRock

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定番ベンチマークで8GBと16GBモデルの違いを確認

 まずは定番ベンチマークの「3DMark」と「ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー ベンチマーク」で、GPUの基本性能を確認しておこう。

 「3DMark」は「Speed Way」「Steel Nomad」「Steel Nomad Light」「Port Royal」の4つのテストプリセットを実行した。テスト中のビデオメモリー最大使用量(CapFrameX SENSOR項目、16GBモデルで確認)は、「Speed Way」と「Steel Nomad」が8GBに迫るが、「Steel Nomad Light」は4.8GB、「Port Royal」は8GB程度となっている。

 GPUのスペックに差はなく、ビデオメモリーの使用量も大きく8GBを超えるようなこともないが、いずれのテストでもわずかだが、16GBモデルのほうがスコアとフレームレートを伸ばしている。

 続けて「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」の結果をみていこう。画質は最高品質を選び、解像度は1920×1080ドット(FullHD)と2560×1440ドット(WQHD)でベンチマークを実行している。

 ベンチマーク実行中のビデオメモリー使用量(CapFrameX SENSOR項目)は、解像度WQHDで最大6.4GB程度だった。「Steel Nomad」「Steel Nomad Light」と同じく、ビデオメモリーの使用量に不安はないのだが、傾向は同じで16GBモデルのほうが若干スコアと平均フレームレートが伸びている。

 さらに6月10日に大型アップデートが実施され、基本プレイが無料化された「レインボーシックス シージ エックス」の内蔵ベンチマークを試してみた。

 画質は「最高」プリセット(レンダリングのスケーリング 標準の100)を選び、解像度1920×1080ドットと2560×1440ドットでベンチマークを実行した。

 設定画面上でのビデオメモリー使用量は8GB、16GBモデルともに約6.8GBになっている。ただ、ベンチマーク実行中のビデオメモリーをCapFrameXで確認すると、8GBモデルは最大でも約6.2GBだったが、16GBモデルは最大で8GB~9GBを記録することもあった。

画質はこれまでと同じく「統合品質」で簡単に設定できる。「テクスチャーVRAM上限」があり、6段階に設定可能になっていた

プリセット「最高」、「テクスチャーVRAM上限:標準」でのビデオメモリー使用量は、6828MBになっていた

 16GBモデルで使用量が増えていたためか、ここまでよりはフーレムレートに差は開いたが、最大7fpsと体感できるほどではなかった。実際、8GBモデルで数時間「訓練」「チュートリアル」や、AIマッチ「エンリステッド」をプレイしたが、カクつきを感じるようなことはなく、スムーズにプレイできた。

マップの画質向上が進められているレインボーシックス シージ エックスだが、Radeon RX 9060 XT 8GBで十分快適なプレイを楽しめた

写真や動画、AI処理はどう変わる

 続いては、アプリケーションのパフォーマンスを計測する「UL Procyon」を実行していこう。テストはAdobe PhotoshopとAdobe Lightroom Classicを使って実際に画像編集を行なう「Photo Editing Benchmark」と、Adobe Premiere Proを用いて動画編集、書き出しをする「Video Editing Benchmark(GPU)」だ。

 結果は一目瞭然で、Adobeの画像、動画編集アプリケーションでは、ビデオメモリー8GBと16GBで、そのパフォーマンスに差は見られなかった。

 ベンチマークの最後は、ビデオメモリー容量の影響が確実に出るAI画像生成だ。「Stable Diffusion」を使った画像生成パフォーマンスを計測する「Al Image Generation Benchmark」で、8GBと16GBでの差を確認していこう。

 テストは最低VRAM容量が8GBとなる、「Stable Diffusion 1.5 (FP16)」と、16GB以上が必要な「Stable Diffusion XL:ONNX Runtime」で計測した。

 ビデオメモリーの容量でスコアは段違いで、「Stable Diffusion 1.5 (FP16)」は4倍以上、「Stable Diffusion XL:ONNX Runtime」は1.6倍ほど、スコアを伸ばしている。AI画像生成などをするなら16GBモデルを選んでおきたい。

システム消費電力の違いもわずか

 最後に「3DMark:Speed Way Stress Test」実行時のシステム全体の消費電力を確認してみた。

 結果はともに270W台と、8GBと16GBモデルで違いは見られなかった。ビデオメモリーの使用量がさらに増えれば、もう少し差が出る可能性はあるが、そこまで気にするほどではないだろう。

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