最新パーツ性能チェック 第467回

RX 7700 XTや RX 7800 XTと性能で並ぶ？

Radeon RX 9060 XT 16GB、コスパの一点突破でRTX 5060 Tiに勝つ

RX 7700 XTどころかRX 7800 XTに並ぶことも

　ここから先はアップスケーラーやフレーム生成を使用して検証する。前述の通りアップスケーラーを使用する際は「クオリティー」設定とし、FSR 3 FGとDLSS FGを積極的に利用。DLSS MFG使用時は3x設定としている。

「Monster Hunter: Wildsベンチマーク」

　Monster Hunter: Wilds公式のベンチマークツールでは画質「ウルトラ」、レイトレーシング「高」に設定。FSR/ DLSS「クオリティー」およびフレーム生成も追加。ベンチマークシーン再生時のフレームレートを計測した。FSR 4は公式対応であると謳っていないが、Radeon Softwareのオーバーレイ機能で利用できているという判定が出ているため、RX 9070およびRX 9060 XT 16GBではFSR 4運用としている。

Monster Hunter: Wildsベンチマーク：1920x1080ドット時のフレームレート

Monster Hunter: Wildsベンチマーク：2560x1440ドット時のフレームレート

Monster Hunter: Wildsベンチマーク：3840x2160ドット時のフレームレート

　Overwatch 2ではRX 9060 XT 16GBに15％程度負けていたRX 7700 XTだがこのMonster Hunter: Wildsベンチマークではどの解像度でも逆に15％程度上回った。

　さすがにRX 7800 XTを負かすまでには至らないものの、RX 7800 XTの背中がすぐ目の前にある状況まで迫れている点は興味深い。同じVRAM 16GBを搭載したRX 7600 XTに対しては平均フレームレートにおいて50％程度伸びているなど、新世代のメインストリームRadeonの実力は十分といえるだろう。

　一方RTX 5060 Tiとの比較だが、Monster Hunter: WildsはもともとRadeonとの相性がいいゲームであるため、RX 9060 XT 16GBはRTX 5060 Ti 16GB相手でも23〜38％高い平均フレームレートを出せている。

　価格帯がほぼ同じなRTX 5060 Ti 8GBの場合、今回の検証に用いた設定はVRAM使用量が多すぎてフルHDですらゲームに耐えられるフレームレートが出せない。解像度はフルHDでいいが画質は確保したいというプレイヤーにとって、RX 9060 XT 16GBは非常にいい選択となるだろう。

Monster Hunter: Wildsベンチマーク：ベンチマーク中におけるTotal Board Powerの平均値（左3つ。単位：W）、および10Wあたりのフレームレート（右3つ。単位：fps）

　RX 9060 XT 16GBのTBPはRX 7600 XTよりも若干低いという点に注目。Radeonに対し最適化の施されたゲームであれば、RDNA 4世代のRadeonはワットパフォーマンスも良好であることがわかる。

「Last of Us Part II Remastered」

　Last of Us Part II Remasteredでは、画質「非常に高い」をベースにFSR/ DLSS「クオリティー」およびフレーム生成（MFG 3xも含む）も追加。冒頭付近、エリーが雪山を馬でパトロールするシーンにおけるフレームレートを計測した。

Last of Us Part II Remastered：1920x1080ドット時のフレームレート

Last of Us Part II Remastered：2560x1440ドット時のフレームレート

Last of Us Part II Remastered：3840x2160ドット時のフレームレート

　RTX 5060 Ti 8GBのフレームレートが伸びないのはVRAM搭載量が少ないためである。VRAMの残量が枯渇してしまうとDLSS MFGを使ってもほとんどフレームレートが伸びないのだ。

　同価格帯にあるRX 9060 XT 16GBはマルチフレーム生成技術を持たないものの、通常のフレーム生成技術縛りの設定でもRTX 5060 Ti 16GBより平均フレームレートが伸びるという点に注目したい。

　ただしRTX 5060 Ti 16GBがDLSS MFG 3xを持ち込むとRX 9060 XT 16GBはさすがに不利になるようだ。

Last of Us Part II Remastered：ベンチマーク中におけるTotal Board Powerの平均値（左3つ。単位：W）、および10Wあたりのフレームレート（右3つ。単位：fps）

　RX 9060 XT 16GBのTBPはRTX 5060 Ti 16GBと同等〜やや高い程度。ワットパフォーマンスにおいて両者は拮抗しているが、DLSS MFGまで視野に入れると、RTX 5060 Ti 16GBのワットパフォーマンスに優位性がある。

　RX 7700 XTやRX 7800 XTといった旧世代格上Radeonと比較すると、RX 9060 XT 16GBのワットパフォーマンスは改善している点にも注目したい。