Nottaは5月29日、新ハードウェア製品および戦略発表会を開催した。
同社は自動文字起こし、AI議事録作成ツール「Notta」を提供している。1時間の音声を約5分で文字起こし・要約できるのが特徴で、ビジネス上で発生する商談やウェブ会議の議事録作成を簡易化できる。
料金プランは個人向けのプレミアム、チーム/業務向けのビジネス、全社導入向けのエンタープライズの3種類のサブスクプランを展開。個人、チーム、大企業それぞれに適したプランを選択できる。
今回、ハードウェアを展開の背景には、ユーザーの総録音時間の約8割がオフラインでの会話であるというデータがあり。既存のインターフェースでは対応しきれないシーンをサポートするためだという。
発表されたハードウェアは2種類となる。1つはカード型の「Notta Memo」で、約28gと軽量で約2000時間分のオフライン会話を記録できるデバイス。もう1つはオープンイヤー型のイヤホン「Zenchord 1」で、軽量で長時間装着が可能な設計で、イヤホン単体およびケースにも録音機能があるデバイスだ。
ポケットサイズの「Notta Memo」
Notta Memoはカード型デザインでポケットにも入るコンパクトサイズのAIボイスレコーダー。
MEMSマイク×4と骨伝導マイク×1を備え、会話や通話などさまざまなシーンでクリアな音声を録音できる。ストレージは最大2000時間分を保存可能だ。
オフラインにも対応するため、いつでもどこでも高音質な音声を録音しておくことができるとする。
録音データはWi-FiやBluetooth経由で自動的に「Nottaアプリ」に転送され、すぐに文字起こしや議事録作成が可能だという。価格は2万3500円で、主要販売チャネルはAmazonオンラインショップとなる。
イヤホン型のレコーダー「Zenchord 1」
Zenchord 1は、Nottaと音響ブランド「Zenchord」が共同開発したAIイヤホンで、6つのマイクによる高精度な音声収録とAIノイズキャンセリング機能を備えている。
オープンイヤー型の軽量設計で、片耳約10gの装着感を実現。録音した音声はNottaのアプリと連携し、自動で文字起こしや要約が可能なほか、自然言語による音声データの検索機能も搭載されている。
録音は、イヤホン本体またはイヤホンケースのボタンを長押しすることで開始・停止でき、録音内容はNottaアプリで文字起こしや要約、翻訳が可能。
駆動時間は本体のみで最大10時間、ケース込みで最大30時間。重さもイヤホンが各10g、充電ケースも65gと軽量な設計となっている。
Zenchord 1は、5月15日より応援購入サービス「Makuake」にて先行公開されており、販売期間は5月15日から7月14日まで。
Nottaは急速に成長中
発表会では、同社のCEO Ryan Zhang氏とCOO 田村清人氏が登壇。Nottaは「会話から無限大の価値を発見」することをビジョンとし、AIによる企業のDXに不可欠な存在となることを目指していると述べた。
また2020年の創業以来、Nottaは順調に成長しており、2024年4月には累計ユーザー数1000万人を突破。日本国内でも累計230万ユーザーを超えており、日本はNottaにとって重要な市場だと語っていた。
シリーズA+ラウンドで総額9.9億円の資金調達を完了したことも発表され、調達資金は、ハードウェアのエコシステム構築、AI中心のソフトウェア開発加速、企業顧客向け支援強化の3つの柱に投じられるという。
