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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第108回

“AI彼女”が自分のパソコンに入る日は近い

2025年05月26日 07時00分更新

文● 新清士

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令和の「Emmy」と会えるのも時間の問題

 ローカルLLMは、最新のQwen3でさえも、GPT-4oがRLHFを通じて実現しているような人格AIとしての幅を実現するほどの能力は獲得できていません。しかし今後おそらく、RLHFの代替技術が登場し、同じような水準の人格AIを作れるような時代が遠からず来るのではないでしょうか。そうなれば、ユーザーは自分の作りたいキャラクターの環境のデータを整備して、ローカルPC環境で人格AIを安定的に動かすと……いった時代が、クラウドとの発展とは別の流れで来るものと考えられます。思い返せば、アスキーがPC-8801向けに人工無能「Emmy」を出したのが1984年です。そこから約40年が経ち、いよいよパソコンの中に本物の人工知能が入って、人格AIと普通におしゃべりができるようになってきました。令和のEmmyと会えるのも時間の問題ではないでしょうか。

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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