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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第105回

“イリヤ神”がまたやった 動画生成AI「FramePack」が革命的なワケ

2025年05月05日 07時00分更新

文● 新清士

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今後の動画生成AIに大きく影響する技術革新

 FramePackの登場で大きいのは、低スペックのマシンでもローカル環境でAI動画を作れるようになったことです。

 AI動画を作ってみたいけれども、スペックが足りないために諦めていたという人が次々に自前の環境で試すようになってきました。既にワンパッケージでインストールできる環境も整えられているため、スタートも簡単です。様々なファイルをダウンロードしてくるため、初期設定は2時間くらいは見ておく必要があるものの、圧倒的にハードルが下がりました。

 イリヤさんは研究目的でアプリを公開するため、いつまでもサポートをし続けるという形では公開しませんが、すでにコミュニティーからのサポートを受けることで、拡張が進んでいます。一貫性を担保する方法は、今後、クラウドAIサービスにも導入され、AI動画のさらなる品質向上につながってくるでしょう。

 動画生成AIはハイエンドにあたるクラウド側の競争が激しい状態が続いていますが、まだまだローカルPC上での可能性も広がり続けています。今後の画像・動画生成技術に対するアプローチがまた変わってきそうです。

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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